世界と日本 (中公文庫 よ 24-2)
世界と日本 (中公文庫 よ 24-2) / 感想・レビュー
新父帰る
1992年1月刊。やはり現実の世界を相手にして来た人の回想録には重みがある。本書は外遊編、論策編、随想編の三構成である。吉田はケネディ大統領と会っているが、暗殺の前に吉田は鬼籍に入った。吉田とマッカーサー元帥とのやり取りも見ものだ。吉田が当時既に共産主義国家旧ソ連の崩壊を予言していたのは本当に凄い。中共ももうすぐそこに来ているのではないか。安保条約締結の想いと再軍備の必要性についてのプロセスが面白い。吉田ドクトリンの軽武装経済外交は今まで理解できなかったが、この書を読んでいくらか理解できるようになった。
2023/12/03
Haruka Fukuhara
吉田茂が西ドイツ(Adenauerらの時代)を反共の立場からべた褒めしているのが甚だ意外だった。仮にその見立てが現実に則したものだったのだとしたら、東ドイツと合体してドイツは堕落してしまったのだろうか。メルケルのドイツは外交的にどこを目指しているのか非常に見えにくい。
2017/04/22
感想・レビューをもっと見る