KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

見えない情事 (中公文庫 こ 24-2)

見えない情事 (中公文庫 こ 24-2)

見えない情事 (中公文庫 こ 24-2)

作家
小池真理子
出版社
中央公論新社
発売日
1992-07-01
ISBN
9784122019164
amazonで購入する

見えない情事 (中公文庫 こ 24-2) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

「あとがき」によれば、これが小池真理子さんの最初の短篇集であるようだ。そう聞けば、まあ仕方がないのかなあと思う。つまり、後年の短篇集に比べるとやや落ちるからだ。篇中には4篇のホラー系と3篇のサスペンス系とを収録するが、とりわけ表題作を含めてサスペンス系が脆弱なようだ。何が一番違うかといえば、小池真理子さんの作品に固有の「せつなさ」がそこにはないのだ。あるいは煩悶といえばいいだろうか。それこそが小池作品の真の魅力なのであるから。そうしてみると、彼女の小説はしだいにそうした個性を獲得していったのだともいえる。

2019/02/14

ぐうぐう

1988年に刊行された小池真理子の初めての短編集、その文庫版。小池のあとがきによれば、ミステリを書き始めて4年半のうちに発表した短編から厳選した作品を収録したと言う。面白いのは、収録された7本の作品がミステリの枠に収まりきれず、サスペンス、ホラー、幻想といった様々なジャンルで彩られていることだ。確かに、のちの小池の活躍を知る読者にとっては、この初期の短編には拙い出来と感じるものも正直あるだろう。しかし、短編の名手と呼ばれる小池の切れ味は早くも健在で、(つづく)

2022/01/20

Yu。

初の短編集らしいのだが著者らしい毒味含んだダークなテイストはこの時すでに完成に近い7つの物語。お気に入りは、わかっちゃいるのに目の前の不幸を避けられないというもどかしさがノスタルジックに描かれるなんともシニカルな「ディオリッシモ」。自業自得とはいえ、アナタとんでもない女を騙したもんですなぁ‥「春日狂乱」。そう持ってくか!!やはりただでは終わらせない、これぞ小池お得意の毒味満点の心理サスペンス「見えない情事」。

2015/06/23

ゆめ

サラサラっと一気読み。七編の短編集。表題の見えない情事はなかなかなサスペンスでした。

2015/07/17

えっくん

★★★☆☆7編のホラー&サスペンス短編集。超常現象を扱った作品も幾つかあり、夜中にひとりで読んでいたら怪しい物音など気になって仕方なかったです。「車影」は「世にも奇妙な物語」で「よみ交通」というタイトルで見たような記憶があります。小池さんといえば、「恋」「欲望」など激しい性愛を描いた長編も多いのですが、著者があとがきに「短編は鮮やかに決めないといけない」と書いているとおり短編も魅力的ですね。もうひとひねり「鮮やかに決まる」オチが欲しい作品もありますが、どんどん引き込まれるようなストーリー性は見事です。

2013/07/28

感想・レビューをもっと見る