玩草亭百花譜 下巻: 福永武彦画文集 (中公文庫 ふ 9-4)
玩草亭百花譜 下巻: 福永武彦画文集 (中公文庫 ふ 9-4) / 感想・レビュー
tomi
入退院を繰り返しながらの最晩年のスケッチ。絶筆の「立葵」に「熱が出て胃がつっぱる スケッチの間だけはそれを忘れてゐる」。風景画や御馳走帖も収録している。
2014/03/30
冬見
1978年から絶筆の1979年7月28日まで。その後、武彦は8月8日に胃の手術をするが予後が悪く8月13日に逝去した。草花帖、スケッチ、御馳走帖が収録。体調が悪かったためか、以前のような植物図鑑の覚書はなくなり、絵のみの日も多い。また、写生を行えない日が長く続くことも増えた。添えられた文章には下血や輸血の文字が。ただ、絵はとても良い。絶筆の立葵に添えられた「今日は午前中雨その間に輸血すこし熱が出て胃がつっぱるスケッチの間だけはそれを忘れてゐる」という文章が印象深い。
2019/05/13
月
信濃追分の記憶に繋がる草花、百花譜(上・中・下巻)の画文集。福永の最晩年は草花の写生にもその情熱を傾けたという・・。福永らしい細かい書き込みと自由なスケッチに何処か心が癒される。そして、この画文集には福永武彦の音楽(風)がある。
2014/09/28
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