古書法楽 (中公文庫 て 1-4)
古書法楽 (中公文庫 て 1-4) / 感想・レビュー
kaoru
江戸や明治の頃の通人を紹介したエッセイが面白い。破天荒で粋な人たちの生涯は、私たちの生きるヒントにもなります。古書についての話も、それなりに楽しめます。饅頭本なる自費出版本の話が興味深い。
2017/10/05
猫丸
古本屋エッセイと小説集。大きく三部に分かれており、その第二部が通人列伝である。ここが面白い。淡島寒月、桜川ぴん助、酒井抱一などの人物が取り上げられている。桜川ぴん助は幇間をつとめた芸人なんだが、漱石マニアがこの名前を聞くと「猫」の一節を想起するはず。資産家金田が苦沙味に嫌がらせを企む場面。苦沙味の勤務校に金田の同国人がいるから彼らを使嗾してやろうと。これが「ピン助とキシャゴ」だった。当時の芸人にありがちな名前なのかもしれない。半藤一利さんが調べていると思われるが、それがどの本かはわからない。
2023/03/10
うな坊
随筆とはこういうものをいうだろう。著者の生活と日常の世界と過去の芳香とがほどよく織り交ぜてあり、読後感がよろしい。
2010/03/10
可不可
昔々と言っていいほどずいぶん前、若かったぼくは、著者の『古書綺譚綺』『古書彷徨』を読んで感動した。が、ながらく三部作の最後である本書を読んでいなかった。■そのことが気になって『古書法楽』を読んだ。が、つまらなく思えた。著者の独りよがりっぽい文章。昔、あんなに感動したのに、もしかしたら『古書綺譚綺』『古書彷徨』もつまらない本なのではないか……。いずれ、再読してみようと思う。■失礼ながら、出久根達郎の文体が臭気のように鼻につくので、「出久根くねくね、くねくね出久根」と、谷川俊太郎みたいな詩を唱えて気を払った。
2024/08/10
感想・レビューをもっと見る