文章読本 (中公文庫 た 30-28)
文章読本 (中公文庫 た 30-28) / 感想・レビュー
徒花
おもしろかった。文豪が文章の書き方についてつらつらと書き綴った一冊。日本語の場合、文法はあんまり気にしなくていいとか、わかりやすい書き方が大事とか、現代でもすごく役立つ文章書きの心構えとテクニックみたいなものが満載。句読点の打ち方とか、文章を短くするために推敲するときのポイントなど、結構具体的に書かれている。たまに難しい言葉が入るけど、見た目以上にサクサク読めて楽しい。
2022/04/13
おつまみ
文章って難しい。けど、実生活では絶対に必要になってきた。その中で、句読点が気になるけど、読む人が見やすい場所に打てばいいのではないかと思った。ただ、論文だと見る先生が文法に厳しいこともあるので、その場に応じた書き方が必要な気がする。実際に文章を書く機会は山ほどあるけど、場所が違って、どこで書くかも違う。
2021/04/08
かわうそ
文章を上達するには「しかも研けば、研くほど、発達するのが常であります。そこで、感覚を研くのにはどうすればよいと云うと、出来るだけ多くのものを、繰り返して読むことが第一であります。次に実際に自分で作ってみることが第二であります。右の第一の条件は、あえて文章に限ったことではありません。総べて感覚と云うものは、何度も繰り返して感じるうちに鋭敏になるのであります。……文章に対する感覚を研くのには、昔の寺子屋の教授法が最も適している所以が、お分かりになったでありましょう。講釈をせずに、繰り返しゝ音読せしめる、
2022/10/07
おさむ
文豪谷崎センセイの文章教室。日本の数多ある読本の定番ですね。大切な箇所はゴチックになっているのも親切です。例えば、文章を声に出してスラスラ読めるか試してみる。文法に囚われらない。感覚を研く。分かりやすい語を選ぶ。饒舌を慎む。言葉遣いを粗略にしない。敬語や尊称を疎かにしない‥‥。学生さんの入学祝いなどにはいい本かもしれません。
2018/10/10
touch.0324
序文に《われわれ日本人が日本語の文章を書く心得》とある通り、論旨は作文の技巧ではない。文章の要は余計な飾り気を除いて実際に必要な言葉だけで書く(華を去り実に就く)こと。言葉や文字で表現出来ないことの限界(日本語の語彙の少なさ)を知り、字面と音調(感覚的要素)を利用して表現の不足を補うこと。感覚を磨くには名文を出来るだけ多く、暗誦できるくらいに繰り返し読むことと、自分で実際に作ってみること、とある。日本人と日本語の特性を理解し、こだわりをもって文章を作ろうと思う。美文家への道は遠い。
2014/10/17
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