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伽羅の香(かおり) (中公文庫 み 18-13)

伽羅の香(かおり) (中公文庫 み 18-13)

伽羅の香(かおり) (中公文庫 み 18-13)

作家
宮尾登美子
出版社
中央公論新社
発売日
1996-07-18
ISBN
9784122026414
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伽羅の香(かおり) (中公文庫 み 18-13) / 感想・レビュー

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ソーダポップ

「伽羅の香」は題名が示す如く、主人公「葵(あおい)」の人生に香道が絡まる。葵は何不自由なく育ち、意中の人と結ばれ、二児にも恵まれた。しかしその幸福な結婚生活も束の間、夫の急逝、両親の相つぐ死、二児の死と次々に不幸に襲われる。失意のどん底にあった葵は、香道に魅せられ彼女の生き甲斐となるが育ち、身分に吸い寄せられる女心、見栄、エゴ、さもしさが新たな悲劇が巻き起こす。運命の無情さがせつない、艶麗で、文学性の高い小説でした。

2022/04/09

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

香道を極めた女性の一代記。炭の大店の娘でお金には不自由なく生活できるが、夫の死と裏切り、子供の死、友人達の裏切りと苦難に満ちた生涯。お金があっても不幸だなあ、と思った。それでも読後感は悪くなく、騙した人達の方が不幸ではないかと思った。モデルがいるらしい。

2015/11/22

てふてふこ

香道、というよりは明治から昭和に生きた女の一生。選民思想大嫌いな自分にとって、血筋とか家柄とか嫌な言葉出てくるし、家族を失うけどお金に不自由した事なく、結局自分可愛い主人公を終始好きになれなかったが、感想は「とても面白かった」の一言。宮尾登美子さんの読ませる力は凄い、と改めて思いました。

2014/09/18

ニノユキ

宮尾作品で初めて思い入れが薄く感じた一冊。葵に感情移入が難しかった。あまりの幸薄さのせいなのか、多気村への葵の薄情な扱いのせいか。最後の最後で関さんが未だに主従の恩を忘れずにいたことが葵を救ったのは紛れも無い事実。

2015/05/24

湖都

三重の山林王の一人娘として生まれた葵の一生の物語。学生時代の親友とは恋のせいで喧嘩別れをし、結婚後は次々と夫、両親、2人の子供、頼りにしていた叔父であり舅を失う。さらには、その叔父兼舅の遺言状を開いた後は裏切りの連続。お金の面では何不自由なく生きた女性だが、人間関係においては縁のない人だった。1番腹がたったのは、叔父の隠し子・楠子の裏切り。こいつはタチが悪い。それでも、使用人達は皆良い人達で良かったなぁ。肝心の香に関しては、気になるけれど雅な世界すぎて手を出せないということがよくわかりました。

2019/04/05

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