エロティシズム (中公文庫 ア 6-1)
エロティシズム (中公文庫 ア 6-1) / 感想・レビュー
双海(ふたみ)
「女は余韻に浸り、そのまま甘美な時を過ごしていたが、男はエクスタシーに達した後は、さっさと切り上げてしまいたい…セックス後に代表される男と女の違いに焦点をあててエロティシズムを明快に分析し、世界中に衝撃を与えたベストセラー。」(カバーより) 「男は変化を好み、女のほうはただ一つの恋に憧れてはいるが、両方ともわくわくするエロティックな体験を求めているのはかわらない。男はそれを生きた肉体に求め、女は英雄相手の恋愛に求める。」
2014/07/31
呼戯人
フランチェスコ・アルベローニはイタリアの社会学者。社会学者が、男女の間に生じる親和力を分析するとこうなるという風に書かれた本。エクスタシーに達しても、女性は余韻に浸りたがり、男性はそこから離れたがるという性意識の違いが男女間の相互理解が難しい点であると分析している。エロティシズムの高まり方やリズムが男女間では異なるのでそれを一致させるむずかしさが分析されている。こうすれば恋愛がうまくいくとは書いてないが、さすが社会学者といういうような洞察はある。
2015/08/14
えんどうまめ
人間の感情と性、特に男女間における差についてとてもまじめに考察しております。少なくとも男性に関しては、程度の大小がかなりあることを前提にしていえば、おそらくそのとおりだろうなぁと。そして、日ごろ感情的側面に抱いていた違和感を、なるほどと思える形で考察していた箇所があり、その正体に輪郭が与えられたことにすこし感動してしまいました(笑)
2015/09/08
袖崎いたる
セイコウの道は男性からすると一穴主義(←アナクロな言い方)に徹することが大切、と。深めあうのは魂の届く距離。棒と穴はその寓意だわな。
2022/12/01
痛太郎
性行為の後に代表される男と女の違いに焦点を当てエロティシズムを明快に分類した世界的ベストセラー。「男も女も実際にはあり得ない相手の姿をつくひあげ、相手が与え得ないものを要求している。」この違いは男と女のエロティズムな理想から発生するものだ。男は断続的で女は継続的。さらに混合生愛も取り上げ男女の個人的様相と集団的様相の違いを示した。そして愛のメカニズムを快・不快、喪失の危機、生成状態によって説明書。そして愛とエロティシズムには強いジレンマが発生する。そして深い相互理解による、継続と非継続が合わさり完成へ至る
2020/01/20
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