三十一文字のパレット (中公文庫 た 54-1)
三十一文字のパレット (中公文庫 た 54-1) / 感想・レビュー
Shoji
文節が連続しているだけなのに何故こう人は活字を追うのかなあ。 文章になったとたんにドラマになるからかなあ。 分かんねーや。 万智さんのこの本、「ハレとケ」なら「ケ」です。 日常生活の一シーンを切り取って、短歌を詠む人なりの感性で雑記が綴られています。 特に「子どもの目」のという題のエッセイが上質の「ケ」でした。 「ケ」なのに温かい気持ちにさせます。活字からオーラが出ています。 だから、人は活字を追うのか。
2016/04/01
Maki
たとえば一冊の本を読んだ感想や受け取りかたがひとそれぞれ違うように、同じ短歌から見える景色や色がひとそれぞれ違う。穂村さんの解説が大好きだけれど、俵万智さんの三十一文字の見えかたも、とても素敵でした。短歌の解説本、他にも読んでみたい。
2018/12/30
太田青磁
<落したるガラス器床に砕け散り失いしものの輝きを見す>その破片の、キラキラと、なんと美しいことか。器であった時には見えなかった輝き・<あなたからきたるはがきのかきだしの「雨ですね」さう、けさもさみだれ>リアルタイムでなく、時間の幅を持って、その思いが届けられる・<期待どおりも期待はずれの一種だと気付く週末送られている>週末という語には、どこかアバンチュールの匂いがするから。女心は複雑なのだ・<君よりも十七センチ高い僕の見渡す景色は君と異なる>この十七という半端でいて、ありそうな数字が、まことに効いている
2014/05/20
ヴェネツィア
かつて「中央公論」に連載されていた、現代短歌の解説風エッセイ。掲載歌は、現代短歌の中ではよく知られたわかりやすいものが多く、解釈・解説もオーソドックス。それだけに、驚くようなものもないのだが、現代短歌鑑賞の入門にはよさそうだ。
2012/05/19
feodor
色を含めて、さまざまな現代短歌を紹介したものなのだけれども、俵さんの感性が光る。 こういう短歌の本を読むと、現代短歌もぐっと読むべきだよなあ……と思うのだけれども、なかなか手が出ず。
2012/06/12
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