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潤一郎ラビリンス (1) (中公文庫 た 30-29)

潤一郎ラビリンス (1) (中公文庫 た 30-29)

潤一郎ラビリンス (1) (中公文庫 た 30-29)

作家
谷崎潤一郎
千葉俊二
出版社
中央公論新社
発売日
1998-05-18
ISBN
9784122031487
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潤一郎ラビリンス (1) (中公文庫 た 30-29) / 感想・レビュー

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HANA

著者の初期短編を収録しているのだが、どれも匂いたつような濃厚なマゾヒズムの芳香を放っており、美しい文体と相まって気が付けばその世界に囚われそうになっている。名高いのは「刺青」であるが、白眉は何といっても「少年」。幼き日の郷愁が美少女への被虐趣味と混ざり合う様は何とも言えない。特に最後の洋館の夢の中を彷徨うような感覚と言ったら。他にも「麒麟」や変態趣味丸出しの「悪魔」等、男は所詮女の肥料である事がわかるような作品ばかり。谷崎は最初から谷崎だったという事で、エロスの黒い輝きを放つような作品ばかりでした。

2019/12/27

メタボン

☆☆☆☆ 既読の作品「刺青」「麒麟」「少年」「幇間」「秘密」は流し読み。初期作品は漢字2文字のタイトルが日本美を凝縮しているようで好きだ。初読の作品は、性欲をこらえ北へ旅する直彦が恋人の元に戻ってくると狂おしい官能の中、文字通り逝ってしまう「飇風」、手巾に包まれた鼻水を舐めまくる「悪魔」、現代で言うパニック症候群を描写する「恐怖」。

2017/10/07

KAZOO

谷崎潤一郎の世界を渉猟しようと思いこの文庫を手始めに読み始めましたがなかなか進まずやっと読み終えました。私は長編の細雪、評論的な陰翳礼讃などはファンなのですが、完璧に好き嫌いが分かれてしまいます。文章や言葉の使い方は見事だと思うのですが、没入できませんでした。再度読み直す必要ありかと思っています。とりあえず16巻すべてを読んでみますが時間がかかりそうです。

2014/06/05

myc0

何度読んでも、谷崎は文章が美しい。『刺青』『秘密』がすごい好み。『飈風』は意味が分からなさ過ぎて、オチに笑った。

2020/08/17

tokko

『細雪』に続く谷崎文学として短編集を読み始めましたが、いやぁ全く様相が違うので戸惑いました。根底では『細雪』に通じるものがあるのかもしれませんが、この妖しい、しかし美しい世界は谷崎文学の精髄と言えるのでしょうね。「秘密」にあるような、一見どうってことのないものが怪しげで魅惑的な世界に映る、あのイマジネーションは読んでいて刺激的です。何でもないものを何でもあるかのように描く観念的手腕は「エグい」です、これが初期作品とは驚かされました。

2019/11/04

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