潤一郎ラビリンス (2) (中公文庫 た 30-30)
潤一郎ラビリンス (2) (中公文庫 た 30-30) / 感想・レビュー
HANA
谷崎と言えばマゾヒズムであるが、本書は処女作から濃厚に香り立っていたそれを凝縮したような短編が収録されている。というか「饒太郎」を始めとする男性が主人公のマゾヒズム物は「刺青」「少年」等から始まって「痴人の愛」に結実するように、ある一定の型の変奏曲のような気がするなあ。ファム・ファタルによって男が破滅していくという型の。後半の「赤い屋根」「日本に於けるクリップン事件」はそれを逆の形から描いたもの。サド・マゾの関係の本当の支配者はマゾヒストだと以前何かで読んだのだが、元々は谷崎がそれを説いていたのね。
2020/01/20
メタボン
☆☆☆★ あまりに直接的にマゾヒズムを題材にしたがゆえに、谷崎の作品の位置づけとしては低いものになっている「饒太郎」であるが、なかなか惹きこまれた。神戸の街の描写と繭子のコケティッシュな魅力が面白い「赤い屋根」。他既読の「日本に於けるクリップン事件」と、「蘿洞先生」「続蘿洞先生」。
2018/04/24
KAZOO
谷崎の小説は私にとっては好きなものとそうでないものとにはっきり分かれてしまいそうな感じです。ここに収められているこのような小説、あるいは刺青、瘋癲老人日記などは苦手な部類です。まあ最後まで読みましたが、最後の小説くらいはどうやらまともに読めましたが、それ以外はだめでした。
2014/10/19
白黒豆黄昏ぞんび
マゾヒストこそが最大の利己主義なのですよ。
2013/04/17
mari
痛いのに、気持ち悪いのに、屈辱的なのに気持ちいいってどういうことなんだろうか。。。と常に上から鑑賞している私がいた。いつか目の前で見てみたい気もする、SMバーに行けばいいのか?
2014/11/20
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