はだしのゲン (4) (中公文庫 コミック版 な 2-4)
はだしのゲン (4) (中公文庫 コミック版 な 2-4) / 感想・レビュー
のっち♬
隆太と再会し浮浪児たちの家を建てたゲンは被爆後3年で原爆症に倒れた母のために仲間と金策に奔走。4巻はヤクザと警察、議員、医師、米兵の癒着が描かれ、権力者や富裕層の辛辣な造形は1巻での"戦争は金持ちが起こした"という見解が通底する。隆太の超法規的行動なしで窮地を打開できないのが深刻。また、酒に溺れる長兄、悲観する次兄、顔がケロイドになった少女たち、無気力な元作家など戦争で変貌した人生を呪う言動も重点的。米軍による隠蔽操作、被爆者のモルモット扱いなども交えて、人物再登場と生の意欲の蘇生が話に厚みを齎している。
2023/08/13
のぶのぶ
ABCC、原爆の実験、原爆症の標本というのに、驚いた。骸骨を売る、買うのもどうだろう。医者や市議会議員もどうだろう。ピカにより被害を受けた方々が辛い思いをして、救いがないのはどうなのだろう。顔に火傷をおった女性が出てくるが、本当にひどい仕打ちには心が張り裂けそうになる。元君が曲がらない一本義なところ、相手を思う気持ち、本当の悪に立ち向かおうとする心意気に感動する。「しょうがない。」をすぐ使ってしまう自分に渇を入れたくなる。ピカによりたくさんのものを失った登場人物たちが救われることを祈り、5巻へ。
2016/09/11
てん
生きていくのに必死のゲンの前に様々な大人が現れる。原爆症で無気力になるもの、原爆の影響を調査するアメリカ軍、それに協力し苦悩するもの、原爆の影響調査に乗っかり金儲けする医師。昭和22年に広島に昭和天皇が来た折に寒風の中整列させられ日の丸の小旗を振る子供たち。初めて昭和天皇に対し怒りを感じた。ゲンの母は病に倒れ、炭鉱に出稼ぎに出た兄は役目を果たせない。それでもゲンは前を向く。ゲンのまっとうさがまぶしい。
2023/08/15
にゃむこ@読メ13年生
戦後三年(昭和23年)、金のない者は生死の境をさ迷おうとも病院に入院もできない一方で、ヤミ市等で財をなした成金たちは賭場で博打に明け暮れるなど、貧富の差が如実に現れる。戦後70年近く経った現代では生き方や価値観は多種多様だが、当時は「世の中、金」、それしかなかった。それがなければ、生きることすら難しかった時代が確かに存在したことを忘れてはならない。
2013/08/09
むきめい(規制)
助けたのに
2018/10/14
感想・レビューをもっと見る