回想十年 1 (中公文庫 よ 24-3)
回想十年 1 (中公文庫 よ 24-3) / 感想・レビュー
日の光と暁の藍
日本も戦後処理のされ方如何によっては、東西ドイツ分断の様に、東日本西日本として国家が分断されていた可能性があった、という指摘は非常に恐ろしかった。GHQの占領政策により日本国民としての気概を骨抜きにされた後、仮に東西分断されたとして、日本が統一を果たせたのか。考えると非常に恐ろしくなる。また、中共に対する考えや英米との関係の考え方などは、今の外交政策の指針ともなりうるほど普遍的で本質的だと感じた。米は中国を真に理解していないから英という仲介者を交えて中国政策に臨めとは、非常に率直で全う至極だと感じた。
2024/06/29
ZEPPELIN
さすが偉大なる宰相、時おり笑い話も交えつつ面白い文章を書かれた。ハル・ノートを最後通牒とは思っていなかったこと、マッカーサーに対してかなり好意的に書いてあることなど、占領の終了後の文章ということを考えれば、これが吉田さんの本音か。加えて戦中の軍部への敵対心など、この人が当時もっと中枢にいてくれれば……と思ってしまう。金がない、パージのおかげで人もいないという時代に、こういう胆力のある政治家がいてくれたことは日本にとって幸福であっただろうし、この人ならバカヤロー解散も納得である
2015/03/11
うた
回想録や評伝を選ぶとき、目安にしていることが一つある。題材になった人の顔つき、表情が気に入るかどうか。内容が面白そうでも、人物像が合わないとどうも読んでいて頭に入ってこないからだ。この点、吉田茂は十分に興味深い。明らかに一筋縄ではいかないような骨のある顔つきをしていながら、なんとも愛嬌のある表情。簡潔明瞭に見解を述べながら、洒脱で飄々としている。内容は戦前戦中にすこし触れ、戦後交渉に多くを割かれている。まだ一巻目、先は長い。
2012/04/13
yasu7777
これは面白い。吉田茂のような名宰相をこの時期に持つことができた日本は幸運でした。
2014/05/24
linbose
☆☆☆☆☆
2009/04/09
感想・レビューをもっと見る