潤一郎ラビリンス (10) (中公文庫 た 30-38)
潤一郎ラビリンス (10) (中公文庫 た 30-38) / 感想・レビュー
KAZOO
この巻には中編とも言っていい作品が3つ収められています。副題にもあるように分身ということで本当は自分の中にある二面性を二人の人間に置き換えて物語を紡いでいます。わたしはこの3作を読んでやはり谷崎はすごいという感に打たれました。まあ私好みということなのですが。鍵とか瘋癲老人日記などを読むとあまり好きではないという感情が先に立つのですがこの巻は読み得でした。
2015/02/14
A.T
サディスティックな潤一郎ラビリンスかと思いきや、予想に反して芸術世界の葛藤を描く。ちょっと展開がミステリーじみていて、江戸川乱歩風にも読める軽快な中編作品3つ。陰翳礼讃を描いた潤一郎はどこへ、、、と、肩すかしを食らいました。
2018/11/04
訪問者
このシリーズもいよいよ10巻目。この巻のテーマは分身物語。と言う事でテーマそのものの「友田と松永の話」であるが、この話も何度読んでも傑作。
2019/05/28
蛸墨雄
久しぶりに谷崎潤一郎を楽しんだ。これぞ芸術、これぞ文学、島尾敏雄を3冊立て続けに読んだが、時間がもったいなかったと痛く反省。『金と銀』『AとBの話』は共に芸術が認めるその心理描写なり普段の生活の下心が描かれており大変ワクワクした。最後の『友だと松永の話』も奇怪であり大変着眼が面白おかしく感じられた。わびさびをここまで卑下しつつまた立ち戻るというその着想が流石である。
2017/08/20
むきむき
AとBの話 を前に読みました。発想に共感がもてましたが、新鮮にも感じました。面白かったです。
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