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潤一郎ラビリンス (12) (中公文庫 た 30-40)

潤一郎ラビリンス (12) (中公文庫 た 30-40)

潤一郎ラビリンス (12) (中公文庫 た 30-40)

作家
谷崎潤一郎
千葉俊二
出版社
中央公論新社
発売日
1999-04-18
ISBN
9784122034051
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潤一郎ラビリンス (12) (中公文庫 た 30-40) / 感想・レビュー

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KAZOO

この巻には長編1作と短編2作が収められています。長編のほうは有名になった谷崎潤一郎と佐藤春夫の夫婦を交えた事件(世に小田原事件と呼ばれているそうですが)を小説化したものです。読むには読みましたが私の肌合いには合わない感じでした。短篇のほうが読みやすく最後の作品が印象に残りました。ただ様々な評価があるようです。

2015/03/03

桜もち 太郎

久し振りに読んだ谷崎潤一郎。表題作の「神と人との間」は実際にあった潤一郎と佐藤春夫が起こした、いわゆる「小田原事件」をモデルにしている。添田が谷崎、穂積が佐藤、朝子が千代夫人といった布陣だ。穂積が添田に朝子を不本意ながらにも譲るという設定。これって谷崎の妻である千代夫人を佐藤に緩るってところからきている。終始物語は穂積を中心とした三角関係で進むが、この穂積という男、しみったれた、優柔不断の男として描かれている。ここには谷崎の佐藤に対する私怨が含まれているのであろう。→

2022/12/10

蛸墨雄

色々と考えさせられる表題の『神と人との間』。男女の関係友情等の根本問題をしっかりと描ききりつつの少々サスペンス風でなかなか興味深く読めた。でも谷崎の好きな女性の姿形には少々くめないところもある。その昔の圓目の女性がいい感じであると、昔らしい日本人女性美を褒めそやいでいるが、私は現代風な女性日に軍配を上げているものなので…。このシリーズ(ラビリンス)、残す所2巻となった。再読必須であると思っている。

2018/05/27

訪問者

いよいよこのシリーズも12巻。この巻のテーマは神と人との間と言う事で、同タイトルの「神と人との間」であるが、何とも大げさなタイトルだとは思うが、これもまた谷崎らしい名作。

2019/05/30

しこみ

小田原事件を虚実を交えて小説化したもの。世間へのエクスキューズと二人へのアンサーとして何が一番いいのかと考えて、世間へは自分を貶めて素直に反省を示した方がプラスだなと考えていると思う。千代にはやっぱり男だからかっこいいと思わせたいというのがどこかあると思う。千代の性格からして男としての腕、この場合は作品としていいなと思わせたい。佐藤には作品の中で素直に詫びることで戦意喪失させつつも作家としての力を見せつけたい。というものの集大成。世間、千代、佐藤。その三点を視野に入れて書いたと思う。嫌なくらい頭がいい。

2016/05/05

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