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言壷 (中公文庫 か 59-1)

言壷 (中公文庫 か 59-1)

言壷 (中公文庫 か 59-1)

作家
神林長平
出版社
中央公論新社
発売日
2000-02-01
ISBN
9784122035942
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言壷 (中公文庫 か 59-1) / 感想・レビュー

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さっとる◎

思念思考を言葉にする。かなしい、うれしい、…大枠としてはそうなのだけど、言葉にしたそれと想いとして心にあるそれとは、違う。脳の中で渦巻く様々を伝えたいという思いが言葉を生んだのか、言葉があるからこそ思考するのか。かたちにならない、存在するのかすら不確かな想いを言葉にするしかない。その可能性と限界。&%*@?=>と想う、伝えたくてできるだけ近い言葉を探して、言葉にしてみて何か違うな、と思う。自走する言葉との静かな闘いを意識せよ。言葉が主役の言語SF。一読で理解できたかは微妙だが非常に興味深かった(*^^*)

2016/07/14

miroku

人類あり方の根幹に関わる言葉というツール。ツールは使用者のありようを変える。言葉使い神林長平の魔術的作品。

2013/10/19

かとめくん

万能著述支援用マシン“ワーカム”を使い文章を書くことが、その便利さと裏腹に大きな危険性をはらんでいく。たった一つの文章が世界を変えてしまう可能性をはらんでいるのだ。それを、いろんな設定で表現しようとする連作になっている。今読むと、設定にあるネットに公開するような小説はケータイ小説を予言しているようで面白いが、個人的には携帯やパソコンで本を読むのはどうしてもなじめない。出版不況とはいうものの、今のような形のアナログな「本」が無くならないことを祈りたい。

2010/01/19

けいちゃっぷ

万能著述支援用マシンであるワーカムを切り口に「言葉」とはなにかを問う連作短編集。 四六時中「言葉」(あるいは文字)を紡いだりひねくり回したり弄んだりしている作家ならではのアプローチかもしれないが、単なる読書人からみれば書かれていることが空疎に思えて仕方ない。 神林の小説を時系列にもリアルタイムにも読んでいないので、このころの彼が「言葉」に悩んでいたのかどうか分からないが、深く突き詰めすぎると筒井康隆が嵌ったような袋小路に落ち込んだかも。 299ページ

2012/09/08

どんまいシリル

短編集。壺というより、言葉の洪水みたい。言語について、とことん追求され、延々と語られているので、「それがどうした」という感じもするが、ここまでくると、逆に快感を覚える。「人間は、自分の言葉で思考せよ、機械に負けるな、戦え!」…ということかな。作者のこだわりが、私は好きだ。興味深く読むことができた。

2014/12/13

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