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死ぬ瞬間: 死とその過程について (中公文庫 キ 5-1)

死ぬ瞬間: 死とその過程について (中公文庫 キ 5-1)

死ぬ瞬間: 死とその過程について (中公文庫 キ 5-1)

作家
エリザベス キューブラー・ロス
Elisabeth K¨ubler‐Ross
鈴木晶
出版社
中央公論新社
発売日
2001-01-01
ISBN
9784122037663
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死ぬ瞬間: 死とその過程について (中公文庫 キ 5-1) / 感想・レビュー

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のっち♬

終末患者への直接面接取材を通して死へと至る人間の心の動きを研究した書。著者はその過程で陥る心理状態を5段階に分けて例示する。これは錯綜した経過を辿ることも多く、局面のようなニュアンスに近い。人生経験や信仰の持ち方が異なる以上、死への向き合い方も希望の持ち方も千差万別だ。人間が尊厳のうちに安らかな死を迎えるために、周囲はいかに本人の想いを汲み取り、寄り添うべきかを考えるにあたり、本書は様々な問題提起や示唆を与えてくれる。解釈や対話には著者独特の思想や時代性が感じられるが、本書の持つ価値は未だ失われていない。

2021/03/10

えちぜんや よーた

医療従事者向けの本だが、一般人が読んでも損はない。いやむしろ読んでおくべきだと思う、特に若い世代の人は。なぜなら終末期医療の問題は、本人やその近親者、医療従事者だけでなく、社会保障財源の問題とつながるからだ。毎月の給与明細書を見てみよう。そこには必ず「健康保険料」という控除欄がある。苦しみしか残されていない余生に何千万の保険料をつぎ込んで、医療器具や新薬を使うべきのか?それとも医療従事者だけが患者と苦しみを分かち合って看取るべきなのか?テーマが重すぎるので、社会全体の議論と何らかの合意が必要だと思う。

2017/03/06

jam

初版は46年前だが、死の間際にある者から導かれた死への受容過程は、今も医療者のバイブルとなっている。幾度か読むが、日々、目前にあった死を俯瞰することに役立った。人は常としてあまり死を意識しない。災害現場でも自分だけは大丈夫だと思う。これは心理学用語で「正常性バイアス」といい、適正な判断を損なう。突然、生を断たれる不条理には、この著書に記された過程は当てはまらないのかもしれない。しかし、人は死を意識することで生の限りを知る。それは「たとえ明日世界が滅びようとも今日私はりんごの樹を植える」ことなのだろう。

2017/02/24

Willie the Wildcat

『人生と運命』に影響され再読。死に接する機会。瞬間と共にその前後の過程の意味。治療や事象ではなく、無論モノではなく「人」。人間性。患者、家族・近親者、そして医療関係者の変化が象徴。著者が引き出す変化は”心”。故にホジキン病の修道女が印象的。宗教観の齎す論理性と、目の前の苦しみという気がする。後述の菌状息肉腫の患者が口にした”ボーナス ”。これが心の1つのあり方なのかもしれない。滲む心、心が滲む言動。”瞬間”まではもちろんのこと、後も尊厳の尊重。想いに終わりは無いと感じる。

2017/02/12

goro@80.7

末期患者をインタビューすることで学ぶべきことがあるのではないかと始まったセミナー。告知を受けてからの感情の段階など知ることが出来た。どんな死に方になるのかは予想も出来ないが、死ぬ準備期間があれば自分はどうしようかと考える。友達は言わずに亡くなった。掛ける言葉も見つからないがそれもその人の死に方なのだろう。悔いも未練もタラタラだが恐れずに迎える事が出来るのかと自問する。病院牧師がいるのも驚いたが、患者も言いたいことは言った方がいい。ケア出来る人を置くのも大変だけど出来れば憂いなく死にたいものです。

2021/05/10

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