我輩は施主である (中公文庫 あ 11-3)
我輩は施主である (中公文庫 あ 11-3) / 感想・レビュー
とびほびこび
「ニラ・・ですか?」「ニラ・・ですよ」そんなやり取りがあったのだろうと思うとなんだか滑稽で吹き出してしまう。当時は屋根にはソーラー、朝○ソーラーじゃけぇが流行りだしたものの今ほどまだこなれておらず、で、屋根にニラ。雑草のように力強く、美しい白い花をつけるもニラ。きっとニラハウスと呼ばれていたに違いない。文中に度々でてくる「我が輩は施主である」半ば自分に言い聞かせているような、やけっぱちのような、でも面白そうだからいいかとサービス精神旺盛な施主。ところで今どうなってる?
2017/04/20
Inzaghico (Etsuko Oshita)
F森さんこと、藤森照信の存在感が圧倒的だ。彼に設計を頼んだことが、すべての困難と混乱と笑いの源泉だ。全部自分たちの手で伐採、加工させるとは。坪庭が欲しいと思っていた赤瀬川に「空間のゆとりのないところに日本家屋の物件だけ持ってくると、質素というより貧相になるんだよ」と一刀両断。それを受けて「あれだね、召使いとか”使用人”のいない日本人が、ルイヴィトンのバッグだけ持って見ても、かえって貧相に見えるというのと同じだね」と赤瀬川がまたすごい返しかたをする。たしかにそうだけどさ(笑)。
2018/11/30
いちはじめ
藤森昭信設計の奇抜な自宅を建てた顛末を面白おかしくつづる。自分の家でここまで冒険出来るって凄いかも
2001/01/26
Shinta
そろそろ自分の家がほしいなと思って家づくりの本をいくつか読みましたが、それらより参考になりました。賃貸呼吸からローン呼吸の変化が何を生むのか?あと借景という発想を大切に土地を探されていたのが、気付かされたポイントです。この本を読んでから、国立近代美術館でやっていた日本の家の展示も見に行きました。そこにニラハウスもありました。ハウツー本より、根底にあるコンセプトというか暮らしや住まいに関する哲学があって、ユーモアたくさんで笑いの中にも僕には学びが多かった。
2017/09/13
tsukamg
施主と建築家のせめぎ合いは、役者と美術家のそれに似ている。こうあって欲しいという視点がまるで違う。赤瀬川源平とてそれは同じことなのだけど、そこはさすがに好奇心の芸術家。建築家のペースに乗せられていってしまうのだ。緑は都市に寄生させるものだという考え方は、今でも新鮮。
2013/05/07
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