日本史を読む (中公文庫 ま 17-12)
日本史を読む (中公文庫 ま 17-12) / 感想・レビュー
クラムボン
歴史の専門家では無い丸谷才一と山崎正和。彼らが「恋と密教の古代」から「技術立国の近代日本」まで8つの時代を語っています。お互いが交代で「注目本を挙げて歴史を語る」方法を取っている。中々賢いやり方だし取り上げた本はどれも魅力的です。本のセレクトには、大事な客人を持て成すホストとしての意識が感じられます。対談相手と読者に対して「こんな本があるよ!どう?(心の中で)知ってた?」 紹介したご本人はきっと内心ニンマリしていたと思う。
2022/05/21
KAZOO
文春文庫に引き続いての丸谷さんと山崎さんのおもに中央公論に連載されたものを収めたもので中公文庫から出版されています。日本の歴史に関するものがほとんどで8つの対談の中で私が興味をとくにもったのは、「時計と幽霊にみる江戸の日本人」でした。ほかのものも結構面白いのですが、時間の観念がかなり明確に出てきていることを言っておられます。
2014/07/07
野の花
対談なのに内容が濃くてすごい情報量ですね。全てが分かるわけでもないのですが、興味深く楽しんで読めました。
2019/03/06
Yukiho Akechi
大作家二人が、37冊の本を元に日本史と日本文学史の形成について大いに語る本! ただし、大分王道から外れた感じ。漱石とか出ないし。おかげで日本最古のロリコン☆白河法皇と璋子(53歳と5歳)、横浜に富貴楼を建てて伊藤博文らを魅了したお倉など、今まで全く知らなかった人たちに興味を持つことができました。また「(生け花とか茶の湯とか、豆腐とか醤油とか)今の日本文化を代表するものは大体室町に出来ている」という内容にも目から鱗。今まであまり興味の薄かった南北朝時代や室町時代を、改めて勉強したくなりました。
2017/02/06
A.T
古代・奈良時代=万葉集を巡る斎藤茂吉と大岡信の読み比べ、中世・白河法皇を巡る乱倫の歌集読み比べ、中世・主流にはなりえなかったゆえアウトサイダーたる有名人列伝後醍醐天皇・楠木正成エトセトラを読み比べ、近世まであとちょっと・足利時代は現代文化に通じる生活史を読み比べ※いずれも本著を読んだわたし個人のイメージ、…など奈良から昭和にいたる日本正史には出てこなかった時代背景を読み解く書籍解説本として、とても面白かった。今の自分の感性も日本史の流れから言うと、非常に当たり前と思えます。
2013/01/25
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