マンガ日本の古典 (27) (中公文庫 S 14-27)
マンガ日本の古典 (27) (中公文庫 S 14-27) / 感想・レビュー
たまきら
娼婦と身分ある男性の恋。世界中で色々な歌劇の題材になっているテーマです。一心不乱な恋はドラマチックで、同時に大いなる迷惑。そんな冷静な周囲もきちんと描いている里中さんのマンガが面白くて…。この部分、人形浄瑠璃でも描かれているのかしら?
2023/01/06
かふ
『心中天網島』は太宰の『おさん』の原作だから読んでみた。実際に起きた心中事件を元にして近松が浄瑠璃にしたのだがストーリー展開が見事。小春という芸者に上せてしまう治兵衛がどうしようもない駄目男で太宰のよう。小春と心中しようとして、その間際になって小春が生きていたいと言い出す。実は治兵衛の女房のおさんが手紙を出して、二人で死ぬことよりも生きることにして下さいと手紙を出したのだ。その後裏切られたと治兵衛は小春と別れるが小春は嫌な男の元へ身請けしてしまう。おさんの手紙を思ってのことだった。
2020/01/14
bluemint
今より世間が狭く、名誉や世間体を重んじる時代だったのだろう。 罠に落ちたり、不倫の関係になったりで身動きできなくなり破滅の道を突き進んでしまう。 一緒に死んでくれる人がいるだけ、ただの自殺より救いがあるのか?相手を引きずり込んでしまう悪人なのか? だいぶ前、曽根崎心中は梶芽衣子と宇崎竜堂の映画で観たが、お初が縁の下に隠れている徳兵衛を足で感じながら、相手に啖呵を切る場面がすばらしく, ここは原作を超えていると思った。
2016/10/10
aisu
一つ前の「葉隠」に比べたら、元々ストーリーのあるやつだし、里中満智子曰く、共感しやすいように心情を推測して挿入したり、説明をいれてくれたりしていて、読みやすかった。主人公達に共感は出来ないけど…周りの人の助言の方がよっぽどマトモだし、残された子供が可哀想…。心中天網島(てんのあみじま)、女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)、槍の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)、曽根崎心中、の4話。
2023/12/22
非日常口
曾根先心中を音読したので、他の作品の筋と背景をみたく読んでみた。心中ブームが起きるのは平和になった時代だからのように感じる。
2013/12/11
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