遊撃戦論 (中公文庫 B 1-2 20世紀BIBLIO)
遊撃戦論 (中公文庫 B 1-2 20世紀BIBLIO) / 感想・レビュー
テイネハイランド
図書館本。中華人民共和国の建国の父によるテキスト。「抗日遊撃戦争の戦略問題」と「文芸講和」の二編を収録。現実を鋭く見つめ「ゲリラ戦」について自分が率いる軍隊の戦略について合理的に語った「抗日~」と、革命家としてマルクス主義の原理・原則から一歩も離れない強硬姿勢を示す「文芸講和」とのギャップがなかなか新鮮で、予想していた以上に面白く読めました。毛沢東と彼が権力を握っていたころの中国の歴史については、いろいろな書物が出ているので、今後おいおい読んでみたいと思います。
2017/11/25
Като́н
戦争の基本原則は、自己を保存し敵を消滅することである。消滅と言う言葉の中には敵を殺し、傷つけ、捕虜にすることが含まれる。この目的を達成するためにとるべき方針は以下のものである。1主導的に、弾力的に、計画的に、防御戦のなかで進攻戦を、持久戦のなかで速決戦を、内線作戦のなかで外線作戦を実行すること。2正規戦争との呼応。3根拠地の建設。4戦略的防御と戦略的進攻。5運動戦への発展。6正しい指揮関係。
2022/08/15
Fumitaka
途中で「漢奸」について触れている。ナチス・ドイツと大日本帝国を「同じ」とすることに自分は抑制的だが、似通った点も存在する。戦争中、この二国はロシア解放軍や汪兆銘政府など協力者を組織したが、それらはロシアや中国を割るどころか、抗戦の意志を強めただけで終わった。ナチ党も大日本帝国も、自国の一等国民以外に興味がなかった点で共通している。「中国の力量についての評価の不十分さと、日本軍閥の内部矛盾」から、日本には「多くの指揮上の誤り」があると毛沢東は言う。自分も先祖に帝国軍人がいるが、まあ全体としては間違ってない。
2019/08/24
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