漢字百話 (中公文庫 B 20-1 BIBLIO)
漢字百話 (中公文庫 B 20-1 BIBLIO) / 感想・レビュー
Tomoichi
白川静の学会での評価は知らないが、彼以上に漢字の語源に迫った学者はいるのだろうか?「文字は呪能をもつ」我々は漢字について何も知らず、知らない文字をその意味も理解でずキラキラネームに使う。もう誰も旧漢字を知らない。改悪された文字にもう呪能はないのかもしれない。
2023/11/25
shouyi.
漢字学なら白川静の右に出るものはない。いろいろ資料を集め、しっかりと自説をたてる。中国の学者の追随も許さない。読む前までは宗教的世界にひかれすぎではないか、などと思っていたがまったくそんなことはなかった。
2020/01/11
roughfractus02
文化的土壌は異なるが、日中の国字政策は漢字の簡略化傾向において共通する。中国では音素を重視して字形を略し、日本では旧字を排して新字を作る。著者が漢字の字形的意味を強調するのは、文字すら人間中心の世界に組み替えられた世界で、字形に含まれた無文字時代の自然と人間の関係に注目するからだ。「声符」としての音素を重視する音声中心主義には、「意符」としての形体素を単なる記号と見なす人間中心主義的な世界観が前提にある。「意符」の「意」を自然=神の音ずれを推し測ること、と記す本書は、読者を生態学的世界観へとシフトさせる。
2020/12/24
やす
とにかく、凄いと思う。 5千年前の表象を昨日のことのように確信を持って描き出せることに脱帽
2010/04/07
NагΑ Насy
不思議の意味、義の意味何だっけな、とおもってめくる。義はただしいの訓。我はもと鋸の形、羊を鋸で解体したのが犠。それを犠牲として捧げたところから正義の意味が出てきた。我汝のようなみかたによって替わるものは象形で表すのが難しく音を仮借してわれ、を我としたとのこと。
2013/10/05
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