楠木正成〈上〉 (中公文庫 き 17-6)
楠木正成〈上〉 (中公文庫 き 17-6) / 感想・レビュー
sakap1173
武士ではなく"悪党“として生きる楠木正成。 反幕府の思いを胸に、主に商いにより力を蓄える上巻。巻末にてやっと、後醍醐天皇の第3王子である大塔宮護良親王とともに出兵。 怒涛の下巻に期待!!
2021/03/30
T2y@
権威と権力が乱立し、混乱期にある国にあり、「悪党」として、大きく戦う道をあえて選んだ武士。 自らの秋(とき)を待ち、拠って立つところから動き初める…。 のちの北方作品、三国志・水滸伝シリーズに通づる雰囲気も感じながら、まだ粗さが多く残る。 下巻で盛り上がりは来るのか。
2014/06/03
くみ
2017年末の読書会でベスト本とご紹介いただいた作品。「水滸伝」のハードボイルドとは逆のやわらかな読み心地でした^ ^上巻は悪党として自分の領地経営に熱心な正成の姿が印象的。北方さんは兵站や資金力の流れを具体的に描いてくださるので、想像力が刺激されます。また経済小説として読むのも楽しいかも。地方経営者の1人だった正成が中央の政治にどうして巻き込まれていくのか、下巻も楽しみです!
2018/01/07
糜竺(びじく)
歴史上の人物の楠木正成は好きだけど、私としては、この小説はなかなか話が進まないな、という印象。下巻からやっと挙兵でしょうか。続きに期待したい。
2022/11/16
TheWho
太平記の英雄で南朝の忠臣である楠木正成を核として描く鎌倉末期の元弘の乱の物語。従来の皇国史観的な楠木正成とは違い、河内の悪党と呼ばれ鎌倉末期の武士の時代のあぶれ者でもある悪党が、時代の変遷と悪党の存在意義、そして悪党の生き残る術を模索する現実的で、かつ時代が見えすぎる一人間としての楠木正成を描写している。上巻は時代の変遷を感じつつ力を蓄えた正成が、悪党の生き残る術を確信し騒乱の渦の中に身を投ず意思を表明する。下巻の展開が楽しみです。
2014/10/05
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