遊学 1 (中公文庫 ま 34-1)
遊学 1 (中公文庫 ま 34-1) / 感想・レビュー
阿部義彦
古本市で入手、中公文庫、2003年刊、活字が小さいです。現編集工学研究所、所長の松岡正剛さんが若い頃、編集長をしていた、伝説の雑誌『遊』から生まれた空前の人物譜です。古今東西の文化人からの連想を著者自らの体験を踏まえ融通無碍に綴っています。ピタゴラス、ダ・ヴィンチ、サド、マルクス、道元、テーマによっては(特に数学者、哲学者等)私には理解不能なものもありますが、文学者はほぼ楽しめました。しかし、20代でこの知識量には圧倒されるばかりです。ガロのバックナンバーは良く見るけど雑誌『遊』は皆無、欲しいです。
2023/11/16
白義
松岡正剛の最高傑作。科学、芸術、文学、哲学古今東西ありとあらゆる分野から知の巨人たちを集め、随想にしていく驚異の書物。龍樹に柿本人麻呂やマッハといった多彩な人物をこれまた多彩な視点で語るのは編集工学の巨人セイゴウならでは。興味深いのは全体を貫く基層に、そうした編集コード自体を破るオカルティックな自然哲学の探求があるところか。科学者からオカルト的な想像力の飛躍を促す詩情を、文学者からその想像力自体を抽出した物質を構想する。運動と光、物質が裏キーワード。松岡正剛の中でもとりわけ「ヤバい」著作でもある
2012/02/26
うりぼう
内容は全然判らないのにただ、感動してページをめくった。驚嘆の博識と編集力。現代の南方熊楠か。京都3000年の歴史の産物。2003年ベスト1位
2003/12/07
greenman
本書を100ページほど読んだ時にふっと気づいた。もしかすると自分はこの本をまったく読めてないんじゃないかという不安に駆られたのだ。それからというものこの本に載っているすべて人物で気になった箇所を抜き出したり整理しながら読みだした。その量はノート1冊分に及び、それでようやくこの本を多少読めただろうという気分になった。これが読めるのは、何千冊もすでに読んでいて新しい見方を得ようとする天才か、結局何もわからないままセイゴオ体験が終わるか、世界を知る遊行者ぐらいだ。自分にはノートをとるしかセイゴオに挑めなかった。
2012/03/01
Takumi
博覧強記の言葉に圧倒されつつも、「場所(トポス)」という器と生命の編まれ方が描かれてあるのではと受け取りました。そのような読み手の勝手な想像ですが、それでも書き手の表象に追いていかれていると感じざるを得ません。参りました。
2024/03/07
感想・レビューをもっと見る