美味放浪記 改版 (中公文庫 た 34-6 BIBLIO)
美味放浪記 改版 (中公文庫 た 34-6 BIBLIO) / 感想・レビュー
metoo
「ワケ」はイソギンチャク。味噌煮や味噌汁が美味。未経験だ。タジン鍋、シシカバブ、アヒージョ、北京ダッグ。今でこそ日本にいても海外の料理が手軽に味わえる。しかし本書は「国内編」が昭和40年に「海外編」が47年に雑誌「旅」に連載されたもの。古さ感じず、むしろ溢れ出すパッションと知識を、太宰治と繰り出す夜店で食べる毛蟹など、過去の思い出や女遍歴も含め、取り留めもなく書き散らすが愉快。仏編で「私の料理は『世界最底辺料理』」と自虐するが、何をおっしゃる、素晴らしい腕前。タラップを降りてまず市場に向かう檀氏にときめく
2017/07/20
たまきら
この本大好き!とうの昔に表紙を無くしてしまっているので、もうこの本かどうかも定かではないんですが…。この本をもとにしたドキュメンタリーを楽しく見たのもずいぶん昔だ。いまだに青魚のサンドイッチをはじめて作った時の感動は忘れられません。今も作るたびに檀さんのことを考えます。
2017/02/16
じゃがいも
日本と世界各地の食べ歩き。土地々での出会いと行き当たりばったり出たとこ勝負の豪気な旅。 あとがきが短くてすごくいい。 「そこに人だかりがしていれば、その喧騒に埋もれるようにしながら飲んだり喰ったりしているだけのこと」、 「とりとめもなきく喰べ歩いたまま、その時々に書き散らしたものを、すすめられるままに、ここに集計してみただけのことだ。」 「・・この雑多な、目出度い、人間の飲食のありさまを形作ったことを、喜びたいのである。その喜びの次第を、二十世紀末の、日本の一放浪詩人として、証言しておきたいのである。」
2019/12/08
sabosashi
著者の尋常ならざる放浪・漫遊および雑食の豊かさのまえでは、わたしのとぼしい経験なんて吹けば飛ぶようなもの。今さら何をいわんや。しかしながらすでに半世紀、ここで描かれているのはほとんど異国といってもいいようで、釣られて現地へ飛んだからといって、目指すものにありつけるか、おおいに疑問。 拾い読みはしたことはあったものの、通読ははじめて。はじめに気になったのは高知の「さつま汁」で、たしかこれは大江の「緑の木」にも出てくる料理のはず。ニホンの食の豊かさにあらためて瞠目させられる。
2021/03/25
まぶぜたろう
1ヶ月くらいかけて読んでた。50年前のグルメ本だが意外に面白い、と言いたいところだが、意外でも何でもなく、そう面白かない。日本編は料理名がほとんど一行おきに出てきては「うまい」の一言で片付けられるし、海外編でようやく紀行文のような体裁が整い面白くなるかと思ったら、50年前の海外事情を読まされてもなぁ、って感じで、どう考えても石田ゆうすけの方が面白い。当時はこの手の海外紀行が珍しかったんだろうね。■何はともあれ、50年前の文士ってのは贅沢かつのんびりしてたのね、ってのが一番の感想つーのはどうなの。
2022/03/07
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