堺港攘夷始末
堺港攘夷始末 / 感想・レビュー
まふ
森鴎外の堺事件を読んだときに事実の羅列という気がしたが、あれは脚色された回想録を底本としているので信用できないという。当時の関わった人々の叙述文をそのまま載せて前後の脈絡を繋ぎあわせるという、歴史教科書風作りである。最後は未完で終わったが、ロッシュ、パークスとやり取りする当時の要人の心情も窺えて面白かった。箕浦猪之吉、西村左平治両隊長をはじめとする士分の割腹は当然ながら、足軽身分で士分扱いとされ割腹をした人々、割腹を猶予された人々9名の落差がよく描かれている。大岡は歴史を忠実に描きたかったのであろう。
2008/09/18
tohoho
慶応4年の堺港警備に当たった土佐藩警備隊員と、フランス海軍兵士の間に偶発した紛争を描いた森鴎外の「堺事件」の検証と疑義により語られ、多くの文献‣史料をもとに、その情報を精査のうえ展開しており、歴史小説としての事実性が築かれており、歴史書としての参考本の感。
2021/06/18
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