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自由戀愛 (中公文庫 い 101-1)

自由戀愛 (中公文庫 い 101-1)

自由戀愛 (中公文庫 い 101-1)

作家
岩井志麻子
出版社
中央公論新社
発売日
2004-11-01
ISBN
9784122044425
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自由戀愛 (中公文庫 い 101-1) / 感想・レビュー

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June

大正時代。美人で華やかな明子と顔も雰囲気も地味な清子、対照的な二人の視点で交互に語られるストーリー。ふたつの章は、明るさと地味さが自然に感じられるよう、リズムや言葉遣いが工夫されているように感じる。天真爛漫でやや思慮の浅い明子に対し、清子を頭脳明晰で思いやりのある女性とも設定できる所を、女の内面に浮き上がる狡賢さを浮き彫りにしているのが面白い。明子にとっては親切心からした事が夫を奪われることになり、その後清子にとっても思いがけない方向に人生が転んでいく様が、テンポ良くコミカルに描かれていて読み易い。

2019/11/25

kaoriction@感想は気まぐれに

ついぞ返さぬままだったあの着物。けれど、明子さんにはもう、必要ないわね。最後に見かけた薔薇色のワンピィスが明子さんのいまをよく現していらして、私はまた「くだらない」と思えたのでした…。明治末期に女学校時代を共に過ごした明子と清子。対照的な二人が同じ男を愛し、狂い、狂わされる人生。大正浪漫。自由戀愛。大好きな世界。女は強い。立場が逆転しながらも、前へ前へと。「着物は、秘密の体を隠しておくためのもの」。その着物を返しそびれたまま。二人ともお互いを強く意識しながら生きて。互いがいたから、きっと。引きかえ、男は…

2019/11/07

kozy758

題名に「戀」とあるので、旧字体の本文かと思って読みだした。実際には全て新字体であった。ひとりの男をめぐる対照的な性格の元同級生の3角関係が描かれる。紆余曲折のなかで自立へと向かう彼女たちの姿が時には違和感ありながら愛おしい。最後の銀座での再会のシーンも晴れやかであって良かった。

2015/10/15

マッキー

女の嫉妬と復讐をこれでもかと言わんばかりに見事に書いている。本妻である明子と妾である清子の立場が入れ替わった場面や嫁姑間の激しい争いが、女性作家にしか書けない生々しさを醸し出している。だが読後感は重くない。数時間で読めた。

2015/07/30

ダグラスまま

大正モダニズムの時代、同じ女子校で育ったふたりの女の子が、大人になり、同じ男の妻と妾になり、なぜかふたりの立場が逆転し…というお話。ずいぶん前に、あまりの不憫さに実は途中で読むのを止めた一冊です。やり返しちまえよ!という気持ちを押し込めて読みました。「私のために泣いてくれるのは私だけ…」「どんな女でもできることが私にはできない…」そんなことないよ、暴れてしまえ!と思ったら、後半思惑通りに暴れてくれた登場人物がいてスカッとしました。淡々としていて読みやすかった。ゲス不倫が流行中?のいま読むと面白いかも?

2016/06/09

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