チャイ・コイ (中公文庫 い 101-2)
チャイ・コイ (中公文庫 い 101-2) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
女性作家による女性視点の官能小説。恋愛感情は一切廃されており、純粋な欲情からなるという点で、まさに特異だ。舞台はホーチミン。ここに見られる構図は、かつての宗主国フランスと植民地ベトナムそのものの、幾分かは形を変えた再現だ。『エマニュエル夫人』や『ラマン』のけだるさを想起させるという点においても。たしかにセックスもまた文化である。日本の男たちの淫猥で頽廃を孕んだセックス、そしてヴェトナム青年の純朴なそれ、となんだかステレオタイプなのは筆者のここでの限界か。日本とヴェトナムとの経済力の差に依存していることも。
2016/11/04
Shoji
私は官能的な物語が大好きだ。エロいの大好きだし、痛いのとか汚いのとかグロいのも好きだったりする。 でも、この『チャイ・コイ』は私にはイマイチだった。 登場人物に感情移入しなかった。 共感もしなかった。 そもそも、ベトナムの愛人とのセックスが妄想なのか現実なのか、私の読解力ではグレーのままだ。 消化不良でした。
2017/01/08
takaC
手放しで称賛するほどの作品とは思えない。(のは、自分が女性ではないから?)
2009/10/01
ぼぶたろう
すごく良かった。言葉にしたくない不思議な余韻に浸っています。なんだかすぐに次の本を手にできない、そんな作品。
2016/12/26
ももみず
ホーチミンで出会った現地の若者との肉欲に溺れる、女流小説家のお話。文体との相性が悪かったせいか、残念ながらあまり夢中になれなかった。性描写が抑揚に乏しく、絶頂に至る際の絶頂感がイマイチ伝わってこないというか。このダラダラとした性描写は、ホーチミンの湿っぽさをも表現しているのかもしれないけれど、でもやっぱり退屈だったなあ。
2014/09/14
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