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桃 (中公文庫 く 11-5)

桃 (中公文庫 く 11-5)

桃 (中公文庫 く 11-5)

作家
久世光彦
出版社
中央公論新社
発売日
2005-03-01
ISBN
9784122044999
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桃 (中公文庫 く 11-5) / 感想・レビュー

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こばまり

いやらしくておそろしくて。気付けば息潜め頁を繰る私。内側に潤みを湛えた女は確かに皆、桃だ。己の果実性をどこか持て余している。不穏な時代は小説にするとやけに魅力的だ。ならば現代もそうなのか。

2017/02/03

面白かったです。桃って官能的ですね。退廃的なエロティックさと湿度を感じました。「同行二人」が好きでした。

2015/12/04

安南

桃に纏わる官能的な八つの短編。久世さんは二.二六事件や血盟団事件など、好みのモチーフを描いてくれるから嬉しいのだけど、なにぶんやり過ぎてしまう。ここで止めておけば品がいいのに、こってりと盛り付けるから、文学を通り越して演歌や昭和歌謡になる。それもまた魅力でもあるのだけれど。濃厚な味付けでちょっと胃もたれ気味。とはいえ「むらさきの」と「尼港(ニコライエフスク)の桃」それから、〆の「桃 お葉の匂い」は素晴らしい。この三編だけでも充分価値ある短編集。

2013/04/13

不在証明

空間に始終満たされているのは濃密なにおい。むせかえるほどの艶やかさと水気をはじく緊密さが同居している。モチーフである桃のイメージが刷り込まれているだけではないように思う。一定して果実の匂いに、死の匂い、病の匂いに血の匂い、短編ごとそれぞれ異なる薬味が入る。どれも粒ぞろい、端から賞味できる幸せ。

2016/09/11

中禅寺 桜子

久々の久世作品、何とも耽美な世界観で大人の読み物です。 桃にまつわる短編集ですが、前篇から甘くて濃厚な色香が立ち上ります。 殺人も探偵も解決も無いので、サクサク読み進める感じでは無いですが、色っぽくて良いですよ^^

2014/08/25

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