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酒中日記 (中公文庫 よ 17-9)

酒中日記 (中公文庫 よ 17-9)

酒中日記 (中公文庫 よ 17-9)

作家
吉行淳之介
出版社
中央公論新社
発売日
2005-03-01
ISBN
9784122045071
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酒中日記 (中公文庫 よ 17-9) / 感想・レビュー

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佐島楓

昔の文壇は作家同士の横のつながりが実に強固。しょっちゅう一緒に呑んでいるので、同じ名前が別の作家の日記でも登場する。良い時代だったのだな。あとは皆様呑みかた、酔いかた、醒めかたが千差万別ですね。私は病気なので全然呑めない。だから少しうらやましいな。

2013/03/02

あーびん

小説現代の連載をまとめたもの。ただ飲んでいるだけの日記エッセイ集なのだが人気作家たちの交友関係や普段の酒の飲み方がうかがえて楽しい。文壇バーが多いがたまに芥川賞や直木賞の授賞式など華やかな席も。安岡章太郎と大江健三郎の仲良しぶりに、吉村昭が朝食時にビールを飲む幸せな理由に頬がゆるむ。若き日の瀬戸内晴美の酒と喧騒の日々からはまさかこの数年後に出家するとは思いもしないのである。

2019/01/07

ポルコ

昭和時代の文豪や著名人たちの古き良き酒飲み日記というかエッセイみたいな短編集。コンプライアンスなんて言葉がない時代なので、もうやりたい放題呑み放題。ちょっと嫌みな感じもあるけど、基本的に豪快で楽しい作家たちの交遊関係も楽しい。

2022/06/02

奏市

小説誌に連載された文人達の酒飲み日記。期待以上に面白かった。吉行淳之介、遠藤周作、開高健、星新一、山田詠美らによる。この人とこの人がとか意外な繋がりあり皆仲良いなって楽しくなる。大江健三郎がいじられキャラ愛されキャラなのが伝わってきた。複数の人の酒の話題に吉田健一が出てきてやはりレジェンドなんだと感じる。色川武大『小実さんの夜』一番好きかも。直木賞受賞した先輩への敬愛の念に溢れている。酒場楽しそうだし。野坂昭如の篇で島原等から東南アジアに売春婦として渡った「からゆきさん」という女性達がいたのを初めて知る。

2023/06/23

ホークス

昭和40年代中心の有名作家達によるショートエッセイ集。酒がテーマで日記形式とくれば面白いに決まっている。酒を取り上げられるのを恐れて肝臓検査を断った作家曰く「最近の人生は長すぎる。人生五十年でいい。その方が悔いも少なく豊かな思い出を胸に死んでゆける」。この様な半ば捨てばちな潔さは、この時代の自由で気楽なムードと表裏をなしていると思う。戦争気分の残り香もあるし、貧困と差別が陰影となって生を輝かせている面もある。こうしたムードを背景とした、勇ましく、哀しく、稚気に満ちた酒飲みの話。

2016/05/19

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