黎明に叛くもの (中公文庫 う 26-1)
黎明に叛くもの (中公文庫 う 26-1) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
イスラームから日本の寺院に擬態した幻術系暗殺部隊を出奔した稚児兼暗殺要員の2人は将門岩で「大永の将門、純友」になることを誓って別れる。そして美貌と才覚、傀儡や毒物などを持つ彼らは天下へのし上がろうとする。兄貴分は斉藤道三、弟分は松永秀久として。しかし、東の蝮、西の蠍と称された彼らの道へ真の日輪とも言える織田信長が立ち塞がった・・・・。権謀術数の秀久の兄者、道三の死を否定するまでの執着とも言える、思慕の強さに圧倒されます。しかし、二人によって絶望と信長への嫉妬という毒を流し込まれた明智光秀が哀れすぎる・・・
2013/05/02
明智紫苑
『ファイブスター物語』ファンとしては、自動人形というモチーフは興味深い。しかし、光秀がかわいそうだな。
2015/05/06
KAZOO
結構分厚い本でしたが突拍子もない背景に引き込まれて読んでしまいました。ままさに半村良さんの後継者的な位置づけなのでしょうか?松永久秀、斎藤道三がこのような主人公だとはもう荒唐無稽な状況です。完全に割り切ってエンターテイメントとして読めば楽しいと思います。
2014/05/16
mtngsng
司馬遼太郎「国盗り物語」から。分厚さと文字の密度に積んでいたが、国盗り~のオマージュと知り挑戦。あらすじで大ネタごり押し的なものを想像したが、全然違った。まさか松永久秀に切なさを感じるとは。そして久秀の行動、信長の窮地を救う事象の理由に危うく納得しかける。松永親子は敵役が多く、特に久通は信長の野望でのぼんくらイメージがあったので描かれ方が新鮮。イスラム世界に疎く、わかっているとさらに楽しめたんだろうなというのが残念。それにしても果心がかわいい。久しぶりに「からくりサーカス」が読みたくなった。
2011/05/25
朱音
圧倒的な力と魅力を持つカリスマ、これを日輪とするならば自らはただの星でしかない…昇りゆく日輪に抗うように輝く明けの明星と見ると乱世の梟雄・松永久秀の印象ががらりと変る。波山の法、傀儡子 、山の老人などを取り入れながらおどろおどろしくなくかえって清澄な印象さえうける。斎藤道三にしろ久秀にしろこのような角度で描かれる事はあまり無いのでそのあたりも良し。長編だががっつり楽しめた。信長の正室・濃姫(帰蝶)については途中で歴史に出てこなくなるので気になってたんだよね…
2011/01/05
感想・レビューをもっと見る