別れの後の静かな午後 (中公文庫 お 71-1)
別れの後の静かな午後 (中公文庫 お 71-1) / 感想・レビュー
ミカママ
いつもながらタイトルが秀逸な、都会的で情緒的な恋愛短編集。男たちはみなクリエイティブな職種(間違っても一部上場企業のリーマンではない)にあり、女は美しく、出逢いがあり別れがある。終わってしまった恋を思い、男は「車で」(推定:ジープラングラー、間違ってもホンダのミニバンではない)丘に登って都内を眺め、女はここぞというところでタイミングよく涙を流すのだ。男の前でうまく泣けないわたしにはとても真似できぬ。が、わたしの男たちは女が泣くのを非常にいやがるので、世の中うまくできているなぁと思うのである。
2019/02/10
Take@磨穿鉄靴
大崎善生氏の作品初体験。 三日間「海霧」を読んだ直後に読んだので 文章も内容も軽く感じてしまった。 自然の情景を表現する言葉が貧困な気がした。 あとハードボイルドでもないのにやたら煙草を吸う主人公達や 露骨な性描写が出てきて中年の自分は戸惑う。 それでも大切な物に名前と住所を書くエピソードは良かった。 あとは崩す人間と組み直す人間が一組のパズルとして機能しているというのも「なるほど」と感じさせられた。一番良かったのはディスカスの記憶かな。 ★★☆☆☆。
2018/01/12
ゆめ
短編集。どれも落ち着いた読みやすい作品。懐かしい気持ちや切ない気持ちが湧き上がり ラストはどの作品も明るい方向に向かい光が見える。今月最後を飾るには良かったかな?
2016/11/30
馨
この作者の作品を読むと何だか落ち着きます。どことなく寂しいような不思議な切なさも残りますが。
眠る山猫屋
この作家さんには珍しい、ミステリ絡みの小品『ディスカスの記憶』。でもやっぱり好きな作品は別れた恋人との意外な再会を描く『別れの後の静かな午後』、義父の死が壊れかけた夫婦の絆を再び結びつける『空っぽのバケツ』かな。『悲しまない時計』の危うい綾子さんも魅力的でした。男はこういう女性を放っておけない、のかも。
2017/09/30
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