ミルク (中公文庫 た 75-1)
ミルク (中公文庫 た 75-1) / 感想・レビュー
優希
けだるく流れる少女たちの時間がありました。まわりにも自分にも無関心な少女たち。自分のことでも何処か他人のように見ているところが感じられます。それは体と心が別のところにあるからなのでしょう。だからどんなに傷ついても悲しくても生きていける。何だか切なくてやるせなくなります。でもそんな物語だからこそ惹きつけるものがありました。
2016/10/05
斧
粗筋にある、けだるくやるせなく、って言葉がぴったりの短編集。いい感じに物事が流れてって、いい感じにオチがあるとか、お話の中だけだよなぁ。「日の丸弁当」の、自分を全身全霊で誰かが好いてくれるなんて、一生あるわけない、っていうのは共感。でも最近、治ってきた気がする。
2015/02/03
パヤパヤ
やはりこの作家噂に違わず凄まじいですね。英訳(冒頭の短編のみ)で初めて読んで、その後求めてこれを入手して読んだんですが。
2012/04/02
エドワード
何のとりえもない少女がいる。少女のまわりには、父母、祖父母、姉妹、叔父などの家族や、親友、ただの友達、幼馴染み、男友達、そして恋人がいる。少女はまわりのもろもろのことが嫌でたまらなかったり、面倒くさかったり、逆に限りなくいとおしくなったりする、思春期のふわふわした、心が大きく揺れて、自分の本当の気持ちすらわからなくなるような季節。独特の言葉づかいで描かれる。回転キャンディー、懐かしいです。今でもどこかにあるのですかねぇ。
2012/03/31
nori.no1.actress
我々の年代あたりから、他人に対して無関心になってくるのですが、この少女たちは、他人ばかりでなく自分に対しても無関心。自分のことなのに、どこか他人事のように思っているところがあります。 身体が傷ついても、心は傷つかない。主義主張もなく、けだるく流れていく彼女たちの時間。しっかりしろと言いたくなります。 今どきの若い女の子を上手に描いているのでしょうが、このままで本当にいいのか!日本は大丈夫なのか!と、本当に腹が立ってきます。怒りを誘発させる力というのは、すごい力量なのでしょうが、私は、パス。
2008/02/18
感想・レビューをもっと見る