ゲバラ日記: 新訳 (中公文庫 ケ 3-1)
ゲバラ日記: 新訳 (中公文庫 ケ 3-1) / 感想・レビュー
夜間飛行
どの頁も息を詰めて読んだ。寄生する蠅、びしょ濡れの本、無線機を入れる横穴、ラジオ、音と臭い、所々に記される三人の娘の誕生日…時空を超え、自分もそこにいるように思える。粗悪な地図と行く手を阻む川、不足する食料と水、仲間の諍いや裏切りなど多くの困難の中でなお、知的で人間らしい心を保とうとする。戦況が悪化するにつれ同志は次々と斃れ、ゲバラ自身も喘息と闘う日々を送りながら、常に落ち着いて状況を見ている。静かだが、屈することのない闘志といえばよいだろうか。国境を越えた革命への一歩一歩が、ここに力強く刻印されている。
2013/10/07
あふもん
これ読む度思うけど、不謹慎な言い方なのかもしれないけど、何だかゲリラというよりボーイスカウトみたいなんだよなぁ。ある意味、戦争てそういう要素の方が強いのかもしれないなぁ
2015/02/13
壱萬参仟縁
なんか表紙が違うが、 2007年版を参照。 1967年8月の解析、 では、 特筆すべき諸点は、 1 連絡がすべて途絶したまま 活動を継続しており、近い将来 に連絡が叶うという尤もな希望 もない。 2 われわれが農民たちを新隊員 として取り込めていないのは相変わらず だが、彼らとの交流が最近とみに減少 していることを考慮すると当然でもある。 3 闘争意欲の減衰。一時的現象であって もらいたい。 4 政府軍は実動力も攻撃性も増進 させていない(254頁~)。
2014/06/04
たばかる
思っていたのと違って、サバイバルの記録の本。ゲバラの感情制御や優れた指導力等ははっきりと分かるように書かれている訳ではなく淡々として事実の連なりであり、日記というか軍記か。勿論それとして割り切れば生々しいくて微細な記述の冒険譚として楽しめるものだった。ゲバラへの共感や分析となると、周辺知識がないと難しいので南無三。
2019/10/03
Keizy-soze
キューバ革命後の南米全体革命を目指し、 ボリビアでゲリラ活動を行った一年の活動記録。 ゆえに脚色なく、ジャングルでの過酷な生活が 淡々と書かれている。 革命家としてのチェとして読むとあまりの人間臭さに戸惑うが、 誇りを持って最後まで戦い抜いた一人の人間として 貴重な資料だと思う。 今後も旅先のお供に連れて行きたい一冊。
2015/12/02
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