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雛の家 (中公文庫 く 11-6)

雛の家 (中公文庫 く 11-6)

雛の家 (中公文庫 く 11-6)

作家
久世光彦
出版社
中央公論新社
発売日
2008-01-01
ISBN
9784122049635
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雛の家 (中公文庫 く 11-6) / 感想・レビュー

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YM

読友さんにおすすめいただきました。雛人形屋さんの三姉妹が子供から大人に成長していく時期のお話で、僕が好きな谷崎潤一郎が、そこかしこにサンプリングされてるもんだから、おもしろくない訳無い。時代は徐々に戦争に向かっていき、死が隣り合わせになってくる。みんなそれぞれに秘密があり、それぞれに命懸けなんだ。退廃美に酔ってる場合じゃなかった。僕も命を擦り減らして生きてやる。

2015/04/13

織町

再読。久世さんの紡ぐ女は、艶かしく、覗いてはいけないものを覗いてしまっている気持ちになる。女性作家でもこんなに色っぽい描写を描く人を私は知らない。雛の家に生まれた三人姉妹のそれぞれの数奇な恋の行方。屈託のない末娘。けれど、心に罪という薄暗い部屋をもつ菊乃。声をなくした頭師の修行をしている美しい鶴吉。この二人の物語は美しくて残酷。桔梗や木犀、季節の花を揉みしだいた水で髪を洗う鶴吉には初めて読んだときとてもとてもうっとりしました。やっぱり好きだなぁ。

2012/09/14

うめ

読み終えるのがもったいなかった。久世作品は本当に官能的でドキドキしてしまいます。女性が書く女より、男性が書く女の方が妙に生々しいのは何故でしょう。

2011/05/15

ジョバンニ

久世作品を読んでいて文章に酔うことはたくさんあったけれど、涙したのは初めてだった。「罪」に魅せられ悶える少女達は、美しく哀しかった。血盟団事件や甘粕事件を絡ませてくるあたりが、とても久世さんらしいと思った。

2015/12/21

pen

友人の熱烈な推薦のもと、初の久世さん作品でした。老舗の人形屋で、情感豊かに美しく育った3姉妹。おおらかなお嬢様育ちで、世間知らずではあるけれど、彼女達の不幸な恋にも、人形屋の衰退にも毅然と立ち向かおうとする姿が、清清しく映りました。立派な雛人形と姉妹の個性を映すあでやかな着物姿、絵になります。

2010/05/31

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