性のアウトサイダー (中公文庫 ウ 6-2)
性のアウトサイダー (中公文庫 ウ 6-2) / 感想・レビュー
マーブル
人間は興奮、決断、危機に対する反応を通じて能動的で、広く世界を見渡すことができる鳥の視点を得られる。しかしその視点は維持することができず正常な日常に戻ると虫の視点に引き戻され、問題を大げさに考え、無駄な心配にエネルギーを浪費する。危機が人間を退屈から救い出し、鳥の視点への到達を助けるとしたら、人類が苦労して積み上げてきた文明そのものが、幸福から人間を遠ざけるという悪循環に陥っている。神の如き意識状態に到達する鍵を性衝動に求めた適応不能者たちが犯した誤りを認め、その先にある可能性を示すことが本書の目的。
2023/01/03
無能なガラス屋
「新しい化学物質は、初めて合成されたときには、往々にしてなかなか結晶しない。ところが、世界のどこかの実験所でそれが結晶化されたとたん、他のすべての実験所でも結晶化がきわめて容易になる。」「シェルドレイクの理論によれば、人間の意識のレベルの進歩は一種の磁気誘導によって伝達される。したがって、もし一人の人間が自分の思うままにX機能に到達する術をおぼえると、じきにこの能力は種のすべてのメンバーに伝播する。」
2022/05/22
あび
ブックカフェにて拝読。時間に余裕が無くかなりのハイペースで読んだ為、もう一度じっくり読みたい。面白かった。
2015/05/15
hrn
三島由紀夫も取り上げられていた。確かに真正面から取り上げている日本人はいないかも。ヴィクトリア朝時代のところを読んでいて、酒見賢一「語り手の事情」の背景がしっくりきた。
2010/05/21
御光堂
ハードカバーの方で読んだ。三島由紀夫のことがかなり詳しく取り上げられているのが興味深い。ここでは三島が完全に同性愛者扱いされている。一緒に割腹自決した森田必勝については三島の愛人と書かれている。三島が丸山明宏に身体の貧弱なことをからかわれて憤然として、それがきっかけでボディビルを始めたなんていうことも書いてある。
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