ゆりかごで眠れ (上) (中公文庫 か 74-1)
ゆりかごで眠れ (上) (中公文庫 か 74-1) / 感想・レビュー
🅼🆈½ ユニス™
ハヤカワ文庫でないのが不思議?❗️日本文学の匂いがしない。コロンビア歴史を圧縮した叙述にはまたもや脱帽せざるを得なかった。リキ・コバヤシ・ガルシアの生い立ちとちょっとしたロマンに加え、カーサとの出逢いやリキと周りの人との関係を通して彼の人間性をリアルに描いた傑作!この小説の力に圧倒され幸せだった。すかさず下巻に飛び付くけど、読み終えたらまたぼーっとなりそうだ。★5❗️(強力に推してくれたキングさん、有難う)
2018/09/15
ehirano1
小説として物語を楽しむのはもちろんですが、「コロンビアの近代史」、「スペイン語」、「児童心理学」の知見が当方にとってマルチで楽しいです。「児童心理学」の項では“箱庭創り”も登場し、治療に携わる医師の言動からなぜか河合準雄氏を思い浮かべてしまいました(ストーリー上はコロンビア人のはずですけどネ)。下巻の展開と結末はなんだか予想がつきますが、それでも読まずにはいられません。
2017/02/13
ehirano1
再読。「中流以上の家庭では、たとえ洗濯機を買う金がなくても、メイドだけは雇っている場合が多い。この事実が、コロンビアという国の成り立ちをよく表している(p239)」、と。この事実にショックを受けますが、どういう意味かなと思ったら、「そもそもコロンビアの独立戦争自体、植民地時代の地主階級が自分たちの既得権益を守るために仕掛けたものだ(p55)」、と。なんだかなぁ・・・・・。
2017/04/08
Satomi
コロンビアで生まれた日系二世のリキ。凄絶な幼少期を過ごし、マフィアのボスにまで上りつめた。裏切り者は赦さない、容赦なく殺す。この男に心はないのか…。反面、絶対に仲間は見捨てない、浮浪女児に己の過去を重ね合わせその身を引き受けるという熱さもある。とても魅力的だ。「人は引き摺られる」どこに引き摺られていくのか…下巻へ続く。
2017/08/28
キムチ
出先、待ち時間で一気読み。この手の筆者モノには魅かれる。主人公となるリキの過去が語られる‥コロンビア~暴力・貧困・銃とマフィア・バイオレンスとセックス。血で血を贖い抗争の果ては死しかなく、生き残った者だけが富の分配に預かり、権利闘争へ。出自を問う事はなく、外見からくる綽名で通用する社会。麻薬密輸の為の来日は、浮浪児カーサを伴う。彼女の心のケアを語る精神科医の言葉に惹かれる。一方、新宿北署‥拘束中のパパリトは?そして武田、妙子は?「必ず、約束を守る日本人」を貫く想いのリキを追って下巻へ。
2018/10/08
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