百万回の永訣: がん再発日記 (中公文庫 や 47-4)
百万回の永訣: がん再発日記 (中公文庫 や 47-4) / 感想・レビュー
しろくまZ
初発の卵管癌から六年半後、著者は再発と転移に見舞われる。骨盤内2ヵ所、肝臓には最大5cmの腫瘍が15ヵ所も見つかる。常識的には余命半年の状態。しかし著者が亡くなる2008年3月まで、約4年半生き延びたことになる。これは驚きだ。一方、本書を読んでいて私が共感できたのは、「がんは個別の病である」と書いてある部分だけ。超一流の医者の中を2nd、3rd、4thとオピニオンを求め続け、最良と信じる医療を受けるなんてのは、一般癌患者にはほぼ不可能である。その上、代替療法や歩く気功の話をされても、とても付いていけない。
2015/04/06
OHNO Hiroshi
結局、死ぬのである、この本の終わり近くになって流し読みしてしまう。ここでは本人は死なず、父は死ぬ、数年後に彼女本人は死ぬ、と言うことを知っていたから。希望で最後は終わっている。今、この瞬間、生きている、と言うことが全て。未来はわからない。過去は遠くなり。
2018/01/20
hash
…(慌てず騒がずでありたい)
2022/03/04
玉虫左太夫
「つまりはゆだねるってことじゃないのかなー」と姉に言われて「ゆだねる」ことを否定し続けた自分に気づくところが印象的。「がん患者学」で医療を批判した著者の、自らのがん再発日記。がん治療の方法をめぐって、主治医を探し歩き迷走する・苦悶する箇所は、治療の痛みよりも痛々しい。「がん患者学」という名著を残してさえ、がん医療というものは困難を極める。としても、「治療法の選択は、私の人生の選択だ」と、敢えて自ら、患者と医療・医者を考え続けた姿勢は感銘を受けた。
2010/10/28
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