双調平家物語8 - 保元の巻(承前) 平治の巻I (中公文庫 は 31-27)
双調平家物語8 - 保元の巻(承前) 平治の巻I (中公文庫 は 31-27) / 感想・レビュー
優希
ようやく折り返し地点です。保元の乱が父子や兄弟の争いというのが何とも言えません。「新院御謀叛」を策謀するのが、権力を握るための方法なのかと思わされます。そのために兵が交わったのだと知らしめられました。争いで衰退していく人々の中、栄えることを手にした清盛、一族や位牌から出ることで力を得ることに信西が、勝者と言ってもいいと思いました。
2019/05/26
ネコ虎
何年振りかでやっと8巻を読み終える。登場人物が複雑過ぎて訳が分からないのと、同じことの繰り返しで全く先に進まないのとで断念していたが一念発起。保元の乱に至る話でようやくスッキリしてきたし、源義朝や平清盛らの出現で先行きが楽しみになる。摂関家が衰退する理由と権力の委譲など現代にも通ずる政治力学が語られるのは興味深い。
2018/08/05
tsukamg
保元の乱は、父と子、兄と弟の争いだった。敗者だけでなく勝者も大きなものを失った。得をしたものは、戦いの仕掛け人である信西と、戦いの意味を知ることに意を用いた清盛だけだった。敗者の裁きにおいて三百数十年ぶりに極刑が復活し、停滞し淀んでいた時代の扉は、苛烈な暴力によって開かれることとなる。しかし、それまでの平和の方が異様だったように思える。久しぶりに人間らしい登場人物も出てきた。波多野の次郎信景。
2019/05/03
まっちゃん2
長い長い物語もようやく折り返し点を過ぎました。保元の乱とはこんなしょうもないことで始まったのかと、唖然とした。物語の多くは源氏と藤原氏のそれぞくの一族内の争いが描かれる。平家に関しては、正盛、忠盛に触れられるが多くはない、清盛に至っては名前がところどころに登場するのみ。清盛に関しては後の巻でたっぷり描かれることだろう。
2016/11/06
24う゛ぃれっぢ
ついに保元の乱に至る8巻。戦を生業としてきた武士たちの躍動で一気に読んでしみました。そして、乱勃発の直前まで、ことを理解できない貴族たち。武士という自分たちの世界から締め出していた者たちを招き入れ、自分たちの価値観で想定できない事態を引き起こされることに気づかない姿に、人間の痛々しさを感じます。この後、信西は、時代の寵児となるのですが、どことなく、藤原仲麻呂の専制とオーバーラップするんですよね、この人のエキセントリックな感じは。よく考えると、同じ藤原南家の出だったりしますが…
2014/08/15
感想・レビューをもっと見る