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食通知つたかぶり (中公文庫 ま 17-13)

食通知つたかぶり (中公文庫 ま 17-13)

食通知つたかぶり (中公文庫 ま 17-13)

作家
丸谷才一
出版社
中央公論新社
発売日
2010-02-25
ISBN
9784122052840
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食通知つたかぶり (中公文庫 ま 17-13) / 感想・レビュー

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syaori

広東料理店で「日本料理の原型は広東料理のほかならない」と言ってみたり、日本料理屋で甘鯛を食べて「あま人や鯛つるらしも」という京極為兼の歌を思い出してみたりする食物エッセイ。芥川比呂志と鰻を食べたり、石川淳とお座敷で飲んだりという文壇交遊録も楽しいですが、金沢の加賀料理屋で器の青九谷に「心が惹かれて、底がみたくなつた。しかし、汁がはいつてゐ」るので汁を飲むことにしたら「味加減がすばらしい」という、風雅と食い意地の絶妙な塩梅が本書の肝で、作者一流の流麗な文章で綴られる「珍味佳肴をめぐる詞華集」を楽しみました。

2023/06/22

夜間飛行

土地や店にまつわる話から入り、前菜程度の嫌味のない蘊蓄を垂れ、料理の外見を目で味わったのち食事に取りかかる。食べている時の味や歯応えや細かな描写は、自分が食べているような気になる。食後のお茶目な感想がまたいい…例えば麤皮のステーキを食って「仔牛が草を食べて肥り、大きくなるのはいいことであるし、神戸に麤皮というビフテキ屋があるのはいいことであるし、その店にポルトガルの葡萄酒があるのはいいことである」と、(旨い物を食べた感想は誰でもこんなものだが)放心して見せる。料理を想像しながら、文章に魅せられてしまった。

2014/03/16

minimu

お気に入りさんに教えていただき、Kindleのセールで落としました(^^) タイトルの通り旧かな使いのためノスタルジックである一方、ずいぶん多様なものを食べていらっしゃることから割と最近?と思い調べてみたら70年代。村上春樹のデビューとほぼ同時期に、こんなレトロなエッセイがあったとは。どうやら読者の食指を動かそうという魂胆はなさそうで、昨今の飯テロでもたれ気味だった私にはこの距離感がかえって良かったです。何しろ早起きまでして粥を食べに行ったのに、感想は「熱い」だけですからね笑。

2016/04/05

マッキー

読むメシテロ。表現が丁寧で生々しい。空腹時に読むといてもたってもいられなくなりますね。

2017/07/28

gelatin

★★★(★) 40年以上前の食通エッセイ。昨今のグルメ本の原点(丸谷氏はこの言葉がお嫌いだそう)。「うまい」というために知的な作業があることがとても贅沢で楽しい。何か食べて万葉集を思い出したりしませんもの。最近の飯本って「ほっこり」だの「のんびり」だの「癒し」だの感情的なオプションが多いのがわかる。高価な器を惜しみなく使うことに「うまい」の一端を担わせるあたり、さすが文化人です。それにしても脂っこいものお好きですね、丸谷先生。ニクヅキに旨いと書いて「脂」ですもんね。

2015/05/12

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