双調平家物語 11 平家の巻(承前) (中公文庫 は 31-30)
双調平家物語 11 平家の巻(承前) (中公文庫 は 31-30) / 感想・レビュー
優希
平治の乱が終結後、悪源太義平は打ち首、頼朝は伊豆へと流刑という運命に襲われます。この時点では権力を握ろうと思わなかった清盛ですが、仕える結果となったようです。自ら望んでいたわけではありませんが、出家し、財産も手にします。それでも清盛は貪欲ではなかったと信じたいと思います。
2019/05/29
りー
悪源太・頼朝・常盤の3人の息子たち、それぞれの始末がつきました。そうかー、常盤にとって、都の外で生きていくという選択肢は無かったから投降したのか。そして摂関家にさえ一目置かれる存在となった清盛が「ん?オレの立ち位置って、今、何処だ??いつの間にか高いとこ来てる?」と、狼狽える場面にもほほー、と。橋本=清盛は、この巻までは無欲の清盛。周囲がヤキモキするくらい待ちの姿勢。それでいて、悪左府や信西の成し得なかったものが転がりこんでくる。摂関家の財産なんて、頼長が聞いたら「くっそー!」って思うだろうな・・・。
2019/05/30
まっちゃん2
多くの源平ものでは、平治の乱以降清盛がすす~~と政権を掌握したように簡単に描くけど、そこをリアルに綿密に描いています。様々な偶然が重なってのことだったんですね。一つは清盛、後白河上皇以外の有力者が次々と世を去り、次の世代がまだ若く実力が乏しかったこと、のようです。
2017/11/30
glaciers courtesy
この11巻で平清盛がついに太政大臣になる。このあたりからいわゆる平家物語が始まるのだが、要するに「平家物語を理解するには当時の歴史的背景への理解が不可欠」と考える橋本治は平家物語の前説を10巻にわたって繰り広げていたということだ。それで注釈を一切書かない橋本平家物語が成立している。常人にはとても考え付かない異常な構想。凄すぎる。しかし、あまりにも売れていないのか新刊本なのに大きな書店に行かないと手に入らない事態は困ったもんだ。しかも巻が下るにつれ、定価も上昇。ついに1000円超え。みんな読んでくれよ。
2010/03/07
tsukamg
平治の乱の生き残り悪源太義平は捕縛・斬首。頼朝は伊豆へ流され、常盤の子らは仏門の道へ。その時点では権勢を得ることにおいて慎ましかった清盛だったが、摂関家の所領を相続すると決めた瞬間、驕れるものへの道を一歩踏み出す。
2019/05/09
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