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昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

作家
猪瀬直樹
出版社
中央公論新社
発売日
2010-06-25
ISBN
9784122053304
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昭和16年夏の敗戦 (中公文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

当時は、実務経験のない若手のSIMレポートが実際の国の方針に影響を与えるはずもないのでは?と思いました。であれば、なぜ若手にSIMとレポートをさせたのか?若手だから(≒実務経験がないから)、“開戦および勝戦”をレポートしてくるだろうと上層部は踏んだんでしょうか?開戦派に不都合なレポートであった場合は、若手という理由で容易に却下できるから?つまり、“出来レース”だったということか・・・・・。

2020/08/23

molysk

昭和16年、夏。総力戦研究所に集められた若きエリートたちは、4年後に訪れる日本の敗戦を予測していた。日米開戦の机上演習で導かれたのは、石油を求めて南方進出しても、海上輸送網の壊滅で、本土に石油は届かないという冷厳な結論であった。この結果は、東條ら現実の政治家も半ば予測していたのかもしれない。だが、すでに醸成されていた、開戦止む無しという「空気」の中で、予測された敗戦はなかったものとされ、日本は無謀な戦争へと突き進んでいく。目的のために、事実が従属させられる。日本の意思決定プロセスは、戦前特有ではない。

2020/06/06

momogaga

太平洋戦争が始まる前に日本の敗戦は予想されていた。この事実を扱った書籍を何冊か読みました。その中でもこの本は、それでもなぜ戦争を始めたのかを的確に説明してくれました。歴史の教科書では教えてくれない事実を読み友の皆さんにも、この本を読んで知っていただきたいです。

2021/09/23

うりぼう

総力戦研究所という聞いたこともない公的機関が存在し、開戦前にしっかりとシミュレートされていた真実を淡々と描いている。どんな正しい議論も上部へいくほどオーソライズされる仕掛けが必要。どのように、誰が議論したかが重要で、今も変わらない。敗戦必須と結論を出した当人達が、その敗戦後の準備を何もしなかったことが興味深い。議論と現実が融合せず、ただ、数字による結論を出しただけ。それは、東條が、官僚で戦争をして、政治をしなかったと同様。人は弱いものである。その点で、東條英機は、筋が通っておりもっと評価されていいと思う。

2012/01/01

Akira

最良にして最も聡明な逸材35名が集まった「総力戦研究所」青国政府の模擬内閣が導いた答えは【日米戦日本必敗】思想や感情などの主観ではなく、国力算定による数字による結論だった/…総力戦研究所の存在すら初めて知ったし、東條英機のイメージも変わるなど、勉強になったのもいっぱいあったけど…読みづらい!漢字いっぱい!レポート的な文章!それに自分の無知も加わって、読みづらさMAX!総力戦研究所の事は勿論、開戦に至った経緯や東條英機の事をもっと知りたい気持ちだけが膨らんだ。浅田次郎や百田尚樹で小説化されないかなぁ

2018/08/18

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