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静かな爆弾 (中公文庫 よ 43-1)

静かな爆弾 (中公文庫 よ 43-1)

静かな爆弾 (中公文庫 よ 43-1)

作家
吉田修一
出版社
中央公論新社
発売日
2011-03-23
ISBN
9784122054516
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静かな爆弾 (中公文庫 よ 43-1) / 感想・レビュー

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ミカママ

設定(TV局勤務の俊平と、耳の不自由な響子の恋愛)をあらすじで読んだ時には、「ああ、ありがち、昔キムタクと常盤貴子のドラマでなかったっけ、でも吉田修一だし」期待せずに。ところがやっぱりいい!耳の聞こえない彼女を取り巻く微妙な環境が、次から次へと描写されるところに、恋愛にありがちなふたりのすれ違いもからんできて、一気に読ませる。ただ、ラストがなぁ…これで終わりなの?いいわ、あたしは勝手にふたりが◯◯した、って想像するから(笑)あと、タイトル…あんまりカッコよくない(´・_・`)

2015/08/17

じいじ

 とにかくエンディングが素晴らし過ぎます。その後の二人の行方は読み手が考えろ!ということなのか――。ふと神宮外苑の小さな公園で出会った男と女。理解して、愛が芽生えて…淡々と二人の日常が綴られていくだけなのに、引き込まれていく。主人公の男に身を任せての読み心地がすこぶるよい。同情ではなく耳の聴こえない響が愛おしくてならなかった。二人の性愛に触れない吉田修一に歯痒さは残るが、それも著者の信念なのだろうと思う。こういう恋愛小説も、私は好きです。

2017/04/01

おしゃべりメガネ

ハードカバーで読んで以来、15年ぶりの再読です。一時期、めっちゃハマって読んでいた吉田さん作品ですが、正直本作含め何作かはあまり覚えてません。テレビ局に勤め、自由気ままに暮らしている「俊平」はある日公園で耳の不自由な女性「響子」を見かけます。彼女との距離を少しずつ近づけていき、彼女との生活にすっかり落ち着きを取り戻していた彼の元に多忙必至な仕事が舞い込んできます。仕事から戻ったとき、彼女は姿を消しており、彼女を必死になって探し続ける彼の姿に切なさを感じずにはいられませんでした。二人の今後が気になります。

2024/06/28

りゅう☆

耳の聞こえない響子に恋をした俊平。彼の1人称語りなので響子への思いがだんだん大きくなり、かけがえのない存在になっていく様子は伺えたけど、二人の交際の様子を広く浅く覗いてるような感じ。同じ部屋にいても違う世界を肌で感じる瞬間、音のある世界とない世界との違和感が拭えないのは当然だと思う。その中で言葉一つ一つを大事に伝えていく、それがゆっくりした感じで心地よさはあったが、ラストの響子に対してどうしても腑に落ちずモヤモヤ。でも吉田さんらしいエンディング。純粋に「会いたい」という気持ちが存在するだけでよしとしよう。

2016/10/01

hit4papa

聴力にハンディキャップのある女性と、テレビ局に勤務する男性が織り成す恋愛小説です。男性をありがちな庇護者として描いておらず、テーマのわりに湿度が極めて少ない作品です。なにより、音で隔絶された二人の出会いのシーンが素晴らしい。タイトルのサイレント・ボムが意味深です(考えすぎか)。

2016/07/17

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