樹上のゆりかご (中公文庫 お 65-10)
樹上のゆりかご (中公文庫 お 65-10) / 感想・レビュー
5 よういち
都内の進学高校に通う上田ひろみは学内では平凡な女子高生。ある日、同級生の中村夢乃に引っ張れらるように参加した生徒会執行部のお手伝いをすることに。◆周囲から守られながらも不安定な「樹上のゆりかご」の中の高校生たちが、学内で起こったある事件の中で、ふらつきながらも自分の役務を果たし、伝統や友人を守ろうとする姿は青春そのもの。◆リアルな高校生が活き活きと描かれていると思った。今の子だよなって。だからこそ、私には解らない部分も多くあったのだが。ヘンテコな不良の類が出てこないのも良いな。
2021/03/12
へくとぱすかる
私などとてもとても、足元にも及ばない秀才ばかりが集まる高校。ミステリめいた事件とともに、さまざまな学校行事が流れていく。ありがちな青春かもしれないが、事件が特別な影を投げかける。文章がとても端正で、登場人物のレベルに合わせたとでも考えたくなる。この作品は厳密にはミステリではないだろう。登場人物は探偵の役割を演じない。しかしそれがかえってリアルだ。
2018/06/07
はる
「これは王国のかぎ」の主人公上田ひろみが登場しますが、この作品はファンタジーではなく、名門校に通う高校生たちの日常の葛藤を描いた繊細な物語。萩原さんの母校がモデルとなっていて、萩原規子さんの体験や価値観が強く反映された作品だと思います。私のおバカな高校時代とは比べられないような高尚な雰囲気ですが、それでも学校という特殊な世界の空気感、友人や男子との、もどかしく不器用なやりとりは懐かしさを感じました。
2016/02/28
ぶんこ
前作を読んでいないので、上田ひろみさんのキャラを間違えてとらえたかもしれません。何だか周りに流されているばかりのようで、共感できなかったのです。むしろ夢乃さんに共感して、潔くて凛々しくて、同級生だったら憧れてたかもしれません。正直話の内容が飲み込めて無いです。有理さんが怖いストーカーに見えるので、鳴海さんやひろみさんが、シアトルに移住した有理さんに会いに行こうと話すのに、激しい違和感を覚えました。
2016/03/16
はらぺこ
『これは王国のかぎ』の続編。 カトケンがおるからドリフターズのドリちゃんかなぁと思ったけど、夢乃の夢がドリームでドリちゃんなんでしょうね。おしゃれ渾名や。 前作がファンタジーやったんで、普通の学園モノでビックリしました。自分は前作が好きやったので少し残念でした。 主人公・上田ひろみの中では前作の事が夢か現実か分からないあやふやな記憶になってるので特に継続してる設定は無いです。なので、これだけ読んだとしても大丈夫やと思います。
2013/09/01
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