美男へのレッスン 上巻 (中公文庫)
美男へのレッスン 上巻 (中公文庫) / 感想・レビュー
Tr.St
一言では表せない「変な本」。なんでそんな感想しか言えないかというと、この本の論旨自体は「美男とは、あるがままの己を受け入れている男である」というそれに尽きるが、その周辺知識・考察の方が膨大かつややこしく、しかしそんな著者が好きにマシンガントークしてるだけの周辺部分の方にこそ読み手を唸らせる発想の転換が見え隠れするのだが、その周辺知識・考察の一体どこに関心するかはきっと読み手次第だろうということで、たぶんこの本がどう映るのかは人によって全然違うのだろうな…と思うので、「変な本」という言い方しか出来ないのだ。
2014/10/10
笠井康平
「美男」とは何かを余すところなく語るには「美男」をめぐる美学や歴史や経済をまるごと語らねばならないため、自然、論旨は錯綜、文体は断定、題材は古今東西多岐に渡ってしまうのだが、その「手練手管」が一から十まで男前なので、なんだか騙された気分で読み進められてしまう。読み終えて思うのは「ひょっとして私、口説かれてたのかな」
2011/08/26
TONY
★★★★★美男について考察した面白い本。橋本治の文章は緻密で論理的で説得力がある。ふわっとした感覚的なものを納得させる力がある。「自分の頭の中で物事を考えて、しかし、自分の頭の中だけで考えたことというのは、実社会とは関係のない自分の頭の中だけの観念的な事実である」これが生意気盛りの大学生の一番悲しいことであるという。まあそれでも不確かな所に一つ世界を築いていき、理由なき人生に一つ意味を落としていくしかないんだろうな。
2011/07/17
asa
何事についてもそうなように、今回も筆者の美男の定義が一筋縄でいかなくて混乱する。ブオトコの方はまだ解り安かったが。また、男は若くなくても等身大で肖像が描かれるが、女は若くなくても若く描かれる、とか。美男よりジェンダーと日本文化の美の捉え方の方が楽しい。下巻読んだら、もうちょっと美男の定義(論議の対象)が分かるといいが。
2011/07/10
くさてる
ハードカバー版は既読。この内容をどこまで理解出来るのか。具体的な例を上げつつも、ところどころでふっと分からなくなってしまう。けれど、読み飛ばすこと無く丹念に味わえば、伝わってくる、不思議な腑に落ちる感じ。下巻も続けて読みます。
2011/06/22
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