おしまいの日 (中公文庫 あ 58-4)
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おしまいの日 (中公文庫 あ 58-4) / 感想・レビュー
人間万事塞翁が馬ZAWAZAWA
仕事人間である夫を支える妻。「忙」という漢字は心を亡くすと書くが、忙しさは、時と場合によっては歪を生みだします。すれ違いを早い段階で修正するには、「気付き」が必要。春さんを思う美津子の気持ちは率直であり、清らかである。が、何かが違う。今一度、私自身が妻に対して、気付いてあげられるニュートラルな精神状態であることが大切であろう。
2013/07/16
sk4
今より21年前のバブル崩壊期に綴られた、サラリーマンと専業主婦の物語。 20世紀は、幕末から1990年頃まで続いた長い長いバブルの時代だったと私は思う。 そして21世紀は愛の時代だと私は信じている。 バブルの砂漠を走り続け満身創痍、そして心を闇に埋め尽くされようとも、愛をその胸に宿し続ける主人公三津子。 ライトノベルの創始者たる著者は愛の時代がすぐそこまでやって来ているという予感と期待を感じてたのではないかな。 今を生きる私たちは、それに応えられるのか。 私は応えたい。
2013/08/09
ワレモコウ
三津子と忠春は結婚7年目のごく普通の夫婦。でも忠春の仕事が忙しすぎるために、三津子は少しずつ壊れていく。読み続けるのを躊躇するくらい怖い話。最後には、誰が狂っていて誰がまともなのかわからなくなってくる。独特の素子節か。映像化されていて、裕木奈江が三津子と知り、妙に納得。
2023/06/03
らすかる
若い頃に読んでたはずの新井素子作品。う~~~~ん、読みずらかった~。下手なナレーションか台本のような文体におままごとのような会話。夫の帰りが遅いのも純粋に家族のために仕事に忙殺されているのだから、そこまで気にすることないのに。浮気でもしてるのならわかるけど。誰1人共感できないまま読了! 心理ホラーって期待が大きすぎたか。私には合いませんでした。残念。
2019/11/14
鷺@みんさー
実に30年ぶりの再読。やはり怖くて一気読み。まずは「ナチュラルに人が狂っていくホラー」が好きな朋輩に、平松愛理『部屋とYシャツと私』を聴きながら読んで、どっぷりおぞけをふるっていただきたい。刊行当時中2だったあたしはこの本の仕掛けがそりゃあもう衝撃で、さっそく「狂いを匂わせる詩」を書きまくって悦に入っていた。やっぱ装丁は単行本の方がいいな~。より日記っぽさ、手書きっぽさが出てる。特に九月二十一日の日記。あれは「じゃあ」「が死」「待つこともな」の文字がくっきりわかる。新井素子文体で敬遠してる人もぜひ一読を。
2022/04/18
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