白き手の哀しみ - 渡辺淳一メディカル・セレクションI (中公文庫 わ 6-23 渡辺淳一メディカル・セレクション 1)
白き手の哀しみ - 渡辺淳一メディカル・セレクションI (中公文庫 わ 6-23 渡辺淳一メディカル・セレクション 1)
- 作家
- 出版社
- 中央公論新社
- 発売日
- 2012-09-21
- ISBN
- 9784122056947
白き手の哀しみ - 渡辺淳一メディカル・セレクションI (中公文庫 わ 6-23 渡辺淳一メディカル・セレクション 1) / 感想・レビュー
こういち
人間の生と死、そして愛。単刀直入に切り込んでくる筆致は、研ぎ澄まされた鋭さを持ちながらも、暖かな温もりに包まれた森の中に居るように心地よい。一つには、絶対的な答えを強制しない物事の対比の巧さと、常に読み手に考えさせるテーマの明確性にある。本書『胎児殺し』と『点滴』は、決して原理原則で医療行為を行うことだけが〝正義〟ではないことを問う。巻末の著者のインタビューは必読。多感な青春時代に得る知識と経験をその後の人生にどう活かすか、まさに自分次第であることを知る。
2014/05/09
まめねこ
どの作品も鳥肌が立ったり、思わず納得したり、面白かった。「優しみの罠」は、ある人が怖すぎで、「背中の貌」は、女の執念は激しすぎで、「球菌を追え」は、色々あるけどほっこりした。「夜の声」は、迷惑な患者は最悪だと思い、「胎児殺し」は怖すぎた反面、望まぬ妊娠は考え物と思い、「点滴」は、生活保護の闇が見え、「白き手の哀しみ」は、死ぬ瞬間は本来の自分に戻れるのか・・・と納得してしまった。
2016/12/12
タマン
医療は必ずしも科学的な根拠に基づく結果ばかりではないと言うことですね
2013/09/01
ニャンコろ
女の情念と男の純情。この本はこの一言に尽きる。と感じた。 そして渡辺氏は、プロ作家として「したたかで、しなやか」であり、『文壇のKING』と呼ばれるのうなずける。しかし、前々から思うのだけれど一途で、純粋な方だと思う。ゆえに魅力溢れる女性達が彼に惹かれたのだろう。 今の年齢になって、さらに納得ができる。
2014/08/23
ちか
少し古い医療物短編集。自分にとって初渡辺淳一。『胎児殺し』、『点滴』など古い医療現場の日本的生々しさがあるように思う。あまり好きではない。
2013/01/24
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