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幕末銃姫伝 - 京の風 会津の花 (中公文庫 ふ 37-9)

幕末銃姫伝 - 京の風 会津の花 (中公文庫 ふ 37-9)

幕末銃姫伝 - 京の風 会津の花 (中公文庫 ふ 37-9)

作家
藤本ひとみ
出版社
中央公論新社
発売日
2012-11-22
ISBN
9784122057067
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幕末銃姫伝 - 京の風 会津の花 (中公文庫 ふ 37-9) / 感想・レビュー

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yoshida

江戸での遊学から戻る会津藩士の山本覚馬、彼を待つ妹の山本八重を軸に幕末の動乱期を描く。大河ドラマの「八重の桜」の配役をイメージしながら読みました。佐久間象山の下で学んだ山本覚馬は日本の内乱による分裂を避け、国内が一致協力して欧米列強に立ち向かうよう、公武合体と藩の軍制改革を提言する。泰平の世が続いた江戸時代は変革を嫌い、覚馬の提言は採用されず、10年後に徳川慶喜に切り捨てられた会津藩は戦火で焦土となる。ただ純粋に藩祖の家訓を守り、親藩として殉じた会津藩の悲哀と気概をみた。時流に沿った変革は、今も大事な事。

2016/10/21

エドワード

戊辰戦争最大の激戦、会津戦争で銃撃隊を率いた女性、山本八重。「八重の桜」で最も印象的だった言葉は「ならぬものはならぬ。」だ。男勝りの八重は、何故女が学問をしてはならぬのか、何故前例無きことをしてはならぬのか、何故男に生まれなかったのか、と嘆く。江戸時代、同じ思いをした女性は多かったに違いない。特に旧弊で因習深い会津藩は、謀略を潔しとせず、士道即ち幕府への忠誠を大真面目に勤めた故に、無念にも逆賊となる。藩主松平容保、兄の覚馬、夫の川崎尚之助らの思いを巻き込む維新の嵐。明治の世に自由を得る事ほどの皮肉は無い。

2015/06/01

Haru

不器用で力自慢、女らしさのかけらもないと苦悩しながらも、前向きに自分の出来ること、好きな道を着実に歩む八重。兄・覚馬を始め、尚之助、大蔵、平馬と八重の周りの男たちは、他の女性にとってはどうか分からないが「八重にとって」とてもいい男達だったと思う。八重が主人公のように感じられる題名だが、他の人物の心理も実に丁寧に描写してあり読み応え十分。また尚之助の愛の形もぐっとくる。平馬の「運がなかった。しかしそれは間違っていたということではないだろう」の言葉に代表されるように、会津藩の至誠の精神が読んでいて哀しくなる。

2012/12/28

gachi_folk

八重は「武士は人ではない」と語る。女として生きてきた八重のその言葉にリアリティーを感じる。幕末の動乱で武士を捨てきれない者たち。その中で八重は、やはり女であることを貫いたのだと思う。どの藩よりも雄々しい会津の女を。

2015/11/23

kaoriction@感想は気まぐれに

歴史とはボタンの掛け違い。八重と大蔵が想いを認め合っていたら、覚馬が勝海舟の誘いに乗っていたら、八重と尚之助が結婚しなければ・・・と、様々な事柄のボタンを少し掛け違った為の歴史なのだなぁと改めて感じた。来年の大河ドラマ『八重の桜』の予習編として読んだ。藤本ひとみが幕末物とは意外だった。半ばまではなかなか話に乗れず、八重の魅力にも乏しい。「新しい女」も微妙だなぁ、と。やっぱり覚馬と大蔵の魅力にやられた。尚之助も、私はキライじゃないよ。ラストは「え?」だが、『ブルボンの封印』的で、なるほど…。続編に期待。

2012/12/04

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