SOSの猿 (中公文庫 い 117-1)
SOSの猿 (中公文庫 い 117-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
小説全体の構図を俯瞰するならば、それはバリのバロンと魔女ランダの互いに勝敗のない永遠に続く闘いということになるだろう。そして、小説を動かしてゆく原動力になっているのが『西遊記』とユング心理学であり、この2つがいわば両輪の役割を果たしている。エクソシズムが前面に出ているが、これはむしろユングの前座に過ぎないだろう。意欲作だとは思う。斬新な小説を目指したのだろう。そのことはよく伝わるが、一方で小説としての魅力や面白みには欠けるようだ。長年の伊坂ファンを、いたずらに戸惑わせる結果になったのではないだろうか。
2017/12/11
ehirano1
心理学的な項がとても楽しめました。とはいえ、本書は読者を選んでしまうのではないかと思います。解説にあるような「小説のシステム自体をずらすことで解決」等という楽しみ方はかなりの上級者向きではないかと思うのですが、新たな「読み解き術」を学んだということで当方は満足しています。
2016/11/12
射手座の天使あきちゃん
みずほ証券の「ジェイコムショク」にヒントを得た経済ミステリーかと思いきや、えっ何これ? 伊坂さん大胆ですねぇ発想が(笑) 孫悟空やエクソシストが活躍する超時空小説?(笑) そして二つの物語は・・・、なるほど そこで繋がるんですね、でもはっきり言ってまったく意味不明でした けど面白かったぁ!! <(^_^;
2013/01/12
mae.dat
孫悟空×エクソシストですって。ちょっと変わった世界設定は、伊坂ワールドである様で、ちょっと違った感じもしました。引き篭もりから悪魔祓いする話。それと株式の誤発注の根本原因を追及する話。一見全然違う話を順繰りに読んで行くので、話が飛び飛びになってしまうよね。でも別々の話な訳が無く。急に結びつくの。あれもこれも伏線ね。好きな台詞は絞りきれず。『うっかりミスには寛容に。規律違反には厳格に』、それから母から娘へのメッセージで『たとえば、わたしが漫才もしないで、あなたの心配ばかりしていたらどう思う?鬱陶しくない?』
2024/10/07
ダイ@2019.11.2~一時休止
私(遠藤)と猿(五十嵐)の話が予想通りリンクする。中盤はイマイチかと思ったが終わり方はイイ。
2014/06/11
感想・レビューをもっと見る