アウトサイダー(下) (中公文庫 ウ 6-4)
アウトサイダー(下) (中公文庫 ウ 6-4) / 感想・レビュー
春ドーナツ
はい。「解題」の前までやってまいりました。本論を読み終えて、できうることなら私も「アウトサイダー」になりたいと思う。コリンさんの熱弁に耳を傾けながら、要約は苦手だけれどパラフレーズはできるかも知れない。やってみよう。「スター・ウォーズ」の世界に置き換えます。アウトサイダーとは煎じ詰めると後天的ジェダイの騎士だと思う。ルーク・スカイウォーカーのようには上手くいかない。惑星ダゴバに行ってヨーダのもとでフォースの修行を受ける。フォースとは何か? フォースだ。フォースを覚醒させるまでタトゥイーンには帰らないのだ。
2020/12/16
凛
本書(上下巻)で書かれている精神・肉体的行為はほぼ全部行ったものだったので理解するというより思い出す感じで読み終えた。体系的に省みた事が無かったので、代わりに彼がやってくれたと言えるほど同じものであった。自己の救済を目的とした過去のアウトサイダー達の行為は、他者と関わる事が一番危険だということを指し示していて、それは知ってるけど凡人はそこを克服しないと死ぬんだよ!とやはり自分で探すしかないと教えてくれました。全9章中、2章もドストエフスキーに使っていて、未読なので興味が湧いた。カラマーゾフ読むか。
2013/12/21
梟をめぐる読書
上巻では「アウトサイダー的な主人公を生んだ作品」として『嘔吐』や『異邦人』や『荒野のおおかみ』が、また「アウトサイダー的な生を送った作家」としてゴッホやニジンスキーが参照されてきたが、下巻ではその交点(アウトサイダー的な作品を書き、かつ生きた)として設定されていたニーチェ的な人物像のモデルをさらに拡大、ドストエフスキーや神秘思想家たちの創作の根源へと迫っていく。最終的に提示される「幻視による主観的真理への到達」という回答には時代的な限界も感じられるものの、それが問題にならないぐらい充実した読書体験だった。
2013/01/09
パブロ
「俺の邪真眼は世界の真実を知っている!」←これ中二病。アウトサイダーとは既存の価値、さらには自分をも蔑視し、それでもなお究極の真理を欲して止まない者であることは分かった。でも、「究極の真理」ってホントに見つかるの? 上巻ではゴッホやニジンスキーなど志半ばで斃れた死屍累々の山を乗り越え、下巻ではとうとうニーチェ、ドストエフスキーが登場。どんな結末を迎えるかと思ったら、コリン・ウィルソンってばグルジェフの「超宗教」で逃げやがった…。とはいえ、真理を求めた敗北者たちの生き様をとくと堪能。これぞ、パンクだぜ!!
2013/01/24
前田まさき|採用プロデューサー
真理は、狂気すれすれの境地で見出される。多くの人(本書でいうブルジョワ)はそもそも真理に興味がない。あるいは興味を抱いても、そのために自らを追い込むことはしない。これとは対極的なのがアウトサイダー。いわば彼らこそが、真の「求道者」。アウトサイダーは自らを「あまりに深く、あまりに多くを見とおす人間だ」と考えることから出発し、やがては「あまりに深く、あまりに多くを見とおすことなど不可能だ」と悟る。で、最終的に行き着く先が精神世界。この展開に興ざめする人もいるかもだけれど、自分はワクワクしながら読めました。
2019/07/14
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