さまよえる日本宗教 (中公文庫 や 56-1)
さまよえる日本宗教 (中公文庫 や 56-1) / 感想・レビュー
HANA
日本における宗教の現状の指針になるかと買ってはみたものの、内容は様々な媒体に発表した評論が中心となっているために、どうも一貫性に欠けている。人物評論があるかと思えば、靖国問題、『菊と刀』の評論があり、中世の宗教があるという風に。題名に近いのは第二章と第五章くらいか。それでもまあ民俗学と中世関連については興味のある分野なので面白く読むことも出来たが、進化論と宗教、DNAと宗教についてはまとめ方が強引すぎてついていけない部分も多々有り。やっぱり全体的にテーマが雑然としすぎて、まとまりに欠けている印象を受けた。
2014/01/13
hal
宗教学者である著者が著した日本宗教と名前のついた一冊だが、内容は日本の社会・文化一般に及ぶ評論集。ボリュームも含めた力作は“網野善彦論”(これ自体いくつかの文章の集合のため反復記述もありちょっと散漫?な印象はあるけれど)。注文を付けつつも肯定的評価のようである。終盤の章で、地球規模の飢餓が避けられぬ課題とした後で、解決策として、他人を食べて生き延びる→カニバリズム→脳死臓器移植、自分を食べて生き延びる→断食→安楽死、と強引に現代死生学の課題に結び付ける腕力にはいつもながら(ほぼ肯定的に)脱帽。
2013/11/14
うえ
折口論がなかなか。フロイト的関心とデュルケム的関心とは面白い
2013/09/26
BATTARIA
学術論文に関する持論みたいな箇所は斜め読みだったが、靖国神社問題の本質をえぐっているのは見事。 裏を返せば、この本が出て10年以上経って、何ら進歩がない現状に脱力感が。
2014/12/29
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